非常にわかりにくい設定と科学的に無理のある構成ながらも読ませる。 特に副キャラクターのクドルチュデスには妖しい魅力がある。 時にかいま見せる、作者のさりげない人類への未来観にも共感が持てる この作者は大化けして、大物になるかも知れない予感がする。 次回作に期待している。
活字に飢えていた私が、書店で思わず衝動買いをした作品です。 中をチェックすることをせず、背表紙の内容説明だけを見て思わず衝動買いをしました。が、前作を全く知らずに読んでしまったので、割と軽いSF作品を好む私には説明や出てくる専門用語が少し難しく、メカ(?)も手が込んでいて気軽に読むには難しく感じました。 その為、この作品一冊を読み切り、前作を敢えて読むことをしませんでした。
『エスコート・エンジェル―プリンセス・プラスティック』です。 ええと、出版社の用意しているあらすじは以下の通りです。 「22世紀、量子パラドックスが解決され、科学技術は一大飛躍をとげていた。『プリンセス・プラスティック計画』のもと、その集大成として創られたのが、双子の少女型戦闘バイオロボット、だった。彼女たちの最初の任務は、極秘で日本を訪れたアフリカの小国の王女を護衛すること。王女をねらう執拗な襲撃者の正体とは?科学描写とアクション描写が圧倒的なドライブ感をもたらす、ラディカル・ハードSF。」
その通りの内容です。その通りの設定が、緻密に作られているのはすばらしいのですが、その通りに緻密に本文中で解説されています。
で、主役のシファとミスフィですが、少女型戦闘バイオロボットとなっていますが、戦艦だ、というのが良かったです。戦艦を美少女化。しかも作中で語られるように、○人もいたらしい。
ただ全体としては、その魅力的なはずのキャラを、もうちょっと描ききれていない感じも受けました。ラディカル・ハードSFだということで、ハードの方の説明に重心が行っているので。 戦艦が美少女、という富士見ファンタジアや角川スニーカーあたりであってもおかしくないようなライトノベル的ネタでありながら、そこまでの萌え要素が無く、本当のハードSFとして見たらどうなのでしょうか。 ヒロイン二人が美少女の戦艦、という部分が一番印象に残っています。他の細々した設定や物語展開などは逆にいえばインパクト弱かったということになります。
|