TVで、何気なく見始めたドラマ、『医龍』。
坂口さんの今までにない役どころに第1回からみごとにどっぷりはまってしまいました。
とにかくかっこいいです。
他の出演者の人たちも豪華!
本当の医療現場で働いている人たちには 『そんなことありえないだろー』などと思ってしまう場面もあるかもしれませんが、ドラマとしてみるならば文句なしの作品だと思います。
今までに数多くある医療ドラマ。その中でも一番じゃないかな…と。
オペシーンなども、ついつい気持ち悪くなって目をそらしがちで見ていた私ですが、この『医龍』では不思議なことに直視することもできました。
とにかく、私的には、見て損無し。
DVD化を待ち望んで、即買い!!でした。
映画版の「白い巨塔」は時間的制約から原作を一部変えて、短縮せざるを得ないが、それでも田宮二郎・田村高広のコンビは主題をきっちり押さえている。財前助教授は東教授の妬みから、すんなりとした教授選にはならない。財前の舅又一や鵜飼医学部長らは、裏で金と陰謀を使って、患者をそっちのけにしている。そんな中で一般保険患者である佐々木傭平は財前の術後診察を一度も受けられずに死んでいく。一方、出世には全く無欲な里見助教授は患者を第一にする正義感。教授選の応援を頼みに来る財前に、患者佐々木を診てくれと頼む。それでも教授になる事しか頭にない財前五郎。 田宮、田村とも演技力抜群だし、東野英治郎、加藤嘉、藤村志保、小川真弓らが脇もしっかり固めている。中でも圧巻は大河内教授が自宅に届けられた現金を蹴飛ばすシーン。ばらばらになった現金をかき集め早々に逃げ出す又一は、お代官様に小判を届ける悪徳商人という感じ。(悪代官なら「おぬしも悪よのう」とかいうところか・・・)裁判になって、原告側弁護士の奮闘にも関わらず一審敗訴。これは当時の医学界の圧力があったとかなかったとか社会問題にもなったが、残念ながら映画はここまで。辞表を出し、大学を去って行く里見助教授が見上げる文字通りの白い巨塔の中では、医局員や看護婦達を引き連れての大名行列さながらの財前教授総回診が続く。医学は進歩しても、医道は進歩しているのだろうか?35年前の映画が今でも新鮮に観られるのは、医学界の問題が解決されていない証ではないだろうか?
ほとんど学ぶところのないドラマが多い中で、これは見る価値が十分にあるドラマだった。
視聴率に媚びずにこういうドラマを作る姿勢は大いに評価したい。
ただ、このドラマの★の数は、自分としては4.5である。-0.5の部分について書いてみたい。
まず、個人的には、熱中度がそれほどは高くなかった点である。主人公の行動に何らかの大義や人
道的意識があって、それに自分が共感できれば熱中できるが、このドラマでは、二つの企業が利益を
求めて争っていて、どちらがそれを成功させたにしても、自分にはそれはあまり大きな違いだとは思
えなかった。確かに、壱岐と鮫島の人柄や経験や行動を考えれば、壱岐を応援したくなるにしても、
成功してもそれは一企業の利益になるだけで、そのために働いている壱岐にそれほど熱中して肩入れ
はできなかった。
壱岐は、政治家にわいろを贈ったり、入札価格を不正に聞き出したりする。当時の商社にとって、
こういうことは当たり前のことであったのかもしれないし、鮫島に比べれば、だいぶ上品なやり方で
あるとはいえ、個人的にはそういう不正もする壱岐に対して感情移入がそれほどできなかった。
壱岐は、石油を掘るのを国家のためだと言うが、そこもどうもしっくりこなかった。もちろん、国
家の石油の安定確保にある程度寄与するのはその通りであるが、普通に考えると、石油を掘るのは、
一企業の利益追求の要素が圧倒的に強い。一企業が石油を掘り当てることがどの程度国家の石油の安
定確保につながるのかよく理解できなかった。
しかし、山崎豊子の取材力、対象研究の熱心さ、物語の構想力はいつもながらすごいと思う。
いずれにしても、こうしたドラマが作られたことは大いに評価したい。視聴率は10%そこそこであ
ったようだが、10%もの日本国民がこのような質の高いドラマを見たという事実に希望を感じる。テ
レビ局は、今後もこういう作品を地道に作っていってほしいと思う。
医学を象徴する白い巨塔が神聖にそびえる様をイメージさせる重厚荘厳なテーマ曲が素晴らしい。
そして、ヘイリーの歌うエンディングの主題歌「アメイジング・グレイス」も美しい。
通常別売になってしまう主題歌まで収録しているのがうれしい。
作曲の加古隆は、『NHKスペシャル・映像の世紀』、映画「大河の一滴」「阿弥陀堂だより」「博士の愛した数式」「明日への遺言」、テレビ「白い巨塔(新)」NHK「にんげんドキュメント」など感動的な作品の数々のメロディを手がけています。
NHKのドキュメント番組「にんげんドキュメント」のテーマ曲「黄昏のワルツ」も感動的で、こちらも泣けます。
同じ曲でも歌手とアレンジでこうも違うのかと感心します。 どの曲もすばらしく癒されます。 ぜひ一度聞いてほしいです。
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