ELOが人気絶頂時に行ったワールドツアー、そのイギリス凱旋時の模様を収めたライブビデオです。ただ、規模が大きくなりすぎた弊害がいくつかあります。宇宙船を模した大規模なステージは、観客との距離を広げ、ヒット曲の多さはシングル曲の羅列につながってしまっています。特に当時のステージ環境では、弦楽器の音を安定して鳴らせることは不可能で、解決策として、音が足りなくなったら事前録音したテープでバックアップしました。さらに、もともとテレビ放送用に録画されたものなので、ライブならではのセクション(バイオリンソロなど)が切り捨てられ、しかも編集にあたってさらなるオーバーダブが加えられました。結果として、アルバムそっくりに聞こえる部分が少なからずありますが、メンバーがマイムをしているわけではありません。
ただ今回の再発にあたっても、映像・音質面でほとんど改善がなされなかったのは残念至極。内容はテレビと同じなので曲数は増えませんでしたし、サウンドはモノラルのままです(オープニングなどはステレオ)。まともなマスターテープが現存しないというのが原因のようです。
さらに、今から見れば妙なイフェクトを多用した映像も難ありですが、後半特にロール・オーバー・ベートーベンの盛り上がりは一見の価値があります。
ディスカバリーのクリップ集はあくまでおまけ。あまりにもコマーシャルなアルバムができたので、どの曲をシングルカットするか予想できないし、いっそ全曲ビデオを作れという発想の産物です。MTV以前なので、面白みには欠けますし、やはり妙なイフェクトが多用されています。
2003年に国内でもDVDが発売されましたが、映像音質面はほぼ同じ。しかも、ディスカバリーが別タイトルになっています。ただ、日本語解説は以前のVHS/LDとは書き直しになっており、日本盤のほうがいい人はそちらも検討下さい。
ポップスの魔術師ジェフ・リン率いるELOのデビューから実質的ラストアルバムとなる「バランス・オブ・パワー」までの全オリジナル・アルバムをまとめたもの。デビュー当初は才能の片鱗を感じさせながらもキワモノ扱いもされていたバンドが才能を開花させ始めたのが75年の「エルドラド」。続く「オーロラの救世主」の大ヒットでスターの座を確立させたバンドは、一般的には最高傑作とされる2枚組大作「アウト・オブ・ザ・ブルー」で人気の頂点を極める。
しかし僕の評価はやや異なる。79年に出された「ディスカバリー」こそELOの音楽的頂点であり、名盤100選にも間違いなく入る歴史的名盤だと今でも思う。この作品をピークにバンドは徐々に力を失っていくが、さすがジェフ。最後までアルバムの中に数曲名曲が収録されていたのはお見事。ジェフはジョージ・ハリスンを蘇らせるという「いい仕事」もしている。ジョージが復活を遂げた「クラウド・ナイン」はジェフの協力なくしてはありえなかった。これらの作品が一気に廉価で入手できる。いい時代になったものだ。
エレクトリックライトオーケストラのアルバムの中でもとてもポップなアルバム。「シャインラヴ」や「ドントブリングミーダウン」のシングルカットされたヒット曲も秀逸である。私自身は「ロンドン行き最終列車」が大変好きでお気に入りの曲でわかりやすいメロディラインとポップなアレンジが光る。とにもかくにもジェフリンのポップ感覚が十分に発揮された作品である。
数年前のTV「電車男」で流れてHITした 「Twilight」も入ってます。 しかし、改めて聴き直すといい曲ばかりでここ価格でイイのだろうか? Vol、1&2を併せて買っても財布に優しい、最近なにかと厳しい中年には有難いCDたちです。 これを聴いて青春の思い出に浸ろう・・。
ジェフリン信者です((笑)) そんな私でも、この作品には「??」が無限に浮かびます。 1・オリジナルと全く変わらないアレンジと歌い回しでのコピー作品を、なぜ今わざわざ発表する必要があるのか? 2・音質悪すぎ。高音域の抜けが無く、中低音に偏ったサウンドだけではなく、声が割れたり、ノイズが入ったりと、 明らかに手抜きと思う部分が多いです。 3・選曲も、過去のベスト盤をなぞるもの。ジェフのこだわりよりも、やはり売れ線を狙ってる?
特に上記1については、あまりにも過去作品との差が無さ過ぎて驚きます。ジェフのコメントを読めば「当時再現できなかった 理想の音を、今の自分が持つ技術と時間をたっぷり使って紡ぎなおす」といった内容が書いてあります。 でも、ジェフファンの私がひいき目に聴いても、進化を感じません。本当に昔のそのままの音を再現することにだけ、頑張ってます。 もちろん違いを探すことはできますが、今作品の発表を知らなければ、街で流れてても全く気付かなかったでしょう。
ここまでのコピー作品を自身で発表するからには、逆に何か裏の理由があるのでは?と勘ぐってしまいます。金に困ってる?(無いか・・・) もしくは、同時発表のソロ作品「ロング・ウェイブ」発表との抱き合わせ??
とまぁ、一般に向けては正直大きく期待をする作品ではないですよ、と言いたいのですが、私自身は購入を全く後悔していません。 なぜなら、2001年ZOOMツアーで演奏された「TWILIGHT」のライブ版ボーナストラックが素晴らしいから!! この1曲の為に買っても、2900円は宝くじ当選くらいの価値があります。 イントロからギターをメインに据えたアレンジは、バンドサウンドとしての躍動感に溢れ、ジェフのボーカルやコーラスも素晴らしい、の 一言です。ZOOMツアーのDVDに収録されなかった「TWILIGHT」、本当に聞きたかったので感動しました!
ちなみに、後期ELOおよびジェフリンのソロが好きな方には「ロング・ウェイブ」をオススメします。これも感動です。
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