タイトルが大きいので期待して読み始めたが、やや教科書的である。「77の鍵」であって、「77の謎」ではないので仕方ないかもしれない。元々が1985年に外国人に対して日本を説明するために作られた英文の冊子を基本とし、それを改訂したものであるために、現象面だけでなく、捉え方も古臭い。例えば、「さいわいなことに、日本の官僚は汚職もすくなく、有能であることはみとめてもよい」という記述があるが、今はそう考える人は必ずしも多くないだろう。 とはいえ、読んでいてなるほどなと思う、興味深い指摘もある。 ・世界最古の土器は、今のところ日本で発見されたものであり、その技術がニュー・セラミックス産業につながっている。 ・平城京は、民間主導で作られた ・日本語の起源はよく分かっていない ・日本の文書は、いっかんして民間の手でつたえられてきた ・江戸時代から日本人の趣味は、「お稽古ごと」という特色をもってきた ・ヨーロッパの感覚からは王侯貴族のみの楽しみである趣味・旅行・芝居見物などを江戸時代の庶民は楽しんできた その他にもいろいろあるが、気になる項目を斜め読みするだけでも、発見はあるのではないだろうか。
|