うんざりするような人間の愚かさを、うんざりするような描写で見せられたが、泣いてしまった。一番涙があふれたのは、三橋達也の演じる老医師が、要潤演じるバラシンの死体を撫でるところ。バラシンが医師の死んだ息子の再生だったのだ。老医師は一度失ったものをもう一度失ったのか? それとも突然に失ったものを、思いがけず取り戻し、そしてもう一度、ゆっくり別れを告げたのか? 憎しみをかき立てて生きるのではなく、生きて出来ることをしてきた老医師に、村の守神キャシャーンがもたらしたものを、どう受け取ればいいのか? 三橋達也の穏やかな顔は後者の解釈を誘う。そして、私たちは愚かだけど、殺し合わずに生きていきたいと思わせられた。
伊勢谷友介のせりふ回しをけなす人もいるが、戦場から魂となって戻った時の「ただいま、母さん」とか、ラストで父親を詰問する「父さん!」など、他の俳優とは違うけど、違っていて心を打つものがあった。
一瞬ギャグかと思うようなネズミのお城模様のオープニングはさておき、前作『CASSHERN』同様、紀里谷流の映像美がほぼヨーロッパファンタジー色に埋め尽くされ今回は一応、戦国の世ということでアジアンテイストを加味している。
ルーカスばりにCGを多様したシーンは当然で、変わりばえのしないアクションシーンも物語の進行をスムーズにさせるためバランスが無茶苦茶。見栄を切るためにこそある美しさを突出させているため、その辺は全く頭にないのだろう。最後の画が決まればそれでいいのだ。
キャラクターは誰もが知っている史実や架空の登場人物で構成されているが、勿論ちょんまげも着物もない世界。最近流行りの“歴女”が好みそうな派手な衣装が水戸黄門世代を排除する。
私はそれなりに楽しめたが拒否反応を示す人も少なからずいるだろう。宇多田ヒカルのPVを観ていれば納得がいくものの、万人がそういうわけではない。確かに映像としては面白みがあるもののカメラだけに専念しておけばいいものを脚本にまで手を出すものだから…。
個人的にはゴリが狂言廻し的で以外にも楽しめたが他はステレオタイプで独特な世界観と剥離していたように思えた。
次の作品が気にはなるものの決して楽しみではないところが悲しい。リドリー・スコットに影響されたであろう光の使い方も上手いのに…。やっぱ、カメラだけじゃ不満かねw
映画中では各々の人物の心情があまり語られていないと思いますが、この小説版では我王などの脇のキャラクターたちの心情も語られています。その部分を読めば、なぜチェ・ホンマンが我王役であったのかなどがすっきりと分かるでしょう。
映画はあのような終わり方をしますが、小説版ではその後が語られています。
映画のあのラストに不満や割り切れない気持ちがある人たちはこの小説を読んで、
もう一度この映画を見てみれば良いと思います。
また違った印象をこの映画に持つでしょう。
この小説には自腹を切って買い、読む価値が確かにあります。
歴史等予備知識なく興味本位で観ました 寧ろそれが良かったのかもしれません
時代背景等考えて観るより、噛み砕かれた、違う世界としての五右衛門映画として受け止めました
信長がヒーロー、秀吉が悪役な内容なので秀吉好きな方はご注意下さい
とにかく、五右衛門含めキャスト陣がカッコいい! 衣装台詞等とにかく一人一人がきちんとキャラクターのようにしっくりしていました 江口さんは本当に適役だったと思います
映像はコントラストが強く、ゲームっぽい感覚があります 星空やホタルのシーンは若干某大作RPGのような…… CGが好きな方、抵抗ない方はすんなり見られます ある意味日本のCG技術にビックリ出来る…かもしれません 戦闘シーンなど、五右衛門たちの身体能力ヤバいです 人間じゃないです…! けれど、そこが爽快で良かったです
そしてとにかく沢山人が死にます 本当に切なくて悲しいですが… いい役ほど死にます… たまにむごかったり、血しぶきだったりします 拷問のシーンも…少し怖かったです
ストーリーとしては… ・強くなれ!強くなれば奪われない ・敵討ちしたって何にもならない …って分かっているけれど結局敵討ちし、人を殺してしまう ・人間の業
などを感じました
稚拙な感想文になりましたが、劇場で泣ける映画に久しぶりに出会えたので、DVD買おうと思います
映画中では各々の人物の心情があまり語られていないと思いますが、この小説版では我王などの脇のキャラクターたちの心情も語られています。その部分を読めば、なぜチェ・ホンマンが我王役であったのかなどがすっきりと分かるでしょう。
映画はあのような終わり方をしますが、小説版ではその後が語られています。 映画のあのラストに不満や割り切れない気持ちがある人たちはこの小説を読んで、 もう一度この映画を見てみれば良いと思います。 また違った印象をこの映画に持つでしょう。
この小説には自腹を切って買い、読む価値が確かにあります。
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