~ムソルグスキー、リムスキー=コルサコフ等とともにロシア五人組と称されるボロディンは「中央アジアの草原にて」など管弦楽作品に素晴らしいものが多い。交響曲は第二番が古くから親しまれてきた名曲。 しかし録音となるとめぼしいものが乏しかった。スヴェトラーノフの全集はできばえに関わりなく貴重なものであるが、これは民族色も豊かで、オーケストラ~~も凄まじく鳴りわたる豪快な演奏。木管ソロも十分な技量を備えていて、大満足のいく名演奏だ。~
1993/4年録音のボロディン交響曲全集の2001年廉価再発売盤、2007年に再度発売されていますので購入するのであればそちらのほうがベターでしょう、
ファンも多い交響曲第2番などを収録した1枚CDは多数発売されていますが未完の第3番を含む2枚組となれば選択肢はあまりなく、聞くまでもなくロシア風の草いきれいっぱいを感じさせるスヴェトラーノフ盤を選ぶか迷いましたが価格とジャケットと楽団でこちらを選択、
予想とおり全体的に落ち着いた端正な格調高い演奏集、熱い演奏ではアンサンブルに耳が向いてしまいがちなので爽やかな演奏でかえってメロディがわかりやすいのも良、管楽器の活躍する管弦楽曲で未聴作品を探している方には無条件でお勧めできる演奏集です、
ディスク2のT5−11は小組曲集(グラズノフ編曲版)と題されたムソルグスキー「展覧会の絵」のようにバラエティに富んだ小曲が連続する作品、予想外に魅力のある作品で得した気分になりました、勇壮な交響曲第2番の次にこの曲という収録順は好ましいでしょう、
ジャケットの絵画はロシアのレンブラントとも呼ばれるイリヤー・レーピンの「なんという広がりだ!」1903年作、です、2007年に来日展示があったので目にした方も多いかとおもいます、草原で踊る男女かとおもいきやよく見ると濁流の中の二人という革命直前の不安な時代を感じさせる名作です、
デジパック三面開きジャケットに二つ折り解説書付きです、
ジャケットの写真は「猿の惑星」みたいですが中身は本当に素晴らしいです。オペラは総合芸術なので、歌と演奏が良くても演出が気に入らないとか、歌手が役のイメージに合わないとか、細かいことを言い出すと完璧な上演に巡り合うのは難しいと思います。その点、オペラ映画は俳優と歌手を分けられるし、ロケも自由にできる点が良いと思うのですが、私としてはこの映画は100点、申し分のない出来だと思います。
歌手もオーケストラもいいのですが、口パク(?)で演じている俳優さんたちがイメージ通りで、イーゴリは雄々しくカッコ良く、ヤロスラヴナは美しく気高く、コンチャクは敵ながら天晴な武将で、ウラジーミルは少し頼りなく、コンチャコヴナはエキゾチックに、実によくはまっています。何よりいいのはロケと舞台装置で、中世ロシアの城塞都市や、ポロヴェッツ人の根拠地であるステップ地帯の広大な風景、そして彼らの天幕生活や衣装などが良く再現されていて、その雰囲気と迫力はオペラ上演では望むべくもないものです。時代考証を手掛けたのがソ連時代を代表する偉大なロシア文化史家、ドミトリー・リハチョフですからそれも当然かもしれません。有名な「韃靼人の踊り」も素晴らしいバレエの振り付けで、当時のソ連芸術界の底力と気合を感じさせる作品に仕上がっています。
原曲に比べると、省略された部分がある一方で、プチヴリが攻撃を受ける場面では反撃の様子が強調されていますし、最後に付け加わったイーゴリの再出陣の場面では、兵士は笑顔で出陣し、合唱は「軍に栄光あれ」との歌詞で終わっています。「愛国的」なストーリーに仕上がっているのはブレジネフ時代の空気を反映したものかと思いますが、アジア系のポロヴェッツ人との戦いに出陣していくロシア兵の姿に、映画ができた1969年にあった中ソ国境衝突の影を見てしまうのは私の勘繰り過ぎでしょう。確かに画質・音質は決してよくありませんが、それを差し引いても見ごたえ十分。是非多くの方にご覧いただきたい、素晴らしい作品です。
少しマイナーな方の楽曲を探してました。 演奏もよくてよかったです。
「だったん人の踊り」で有名な歌劇『イーゴリ公』の全幕ライヴ映像です。
ゲルギエフ指揮、マリインスキー歌劇場の演奏とバレエで1997年8月に上演されました。
同じくゲルギエフの全曲盤CDとくらべると、 「だったん人の娘たちの踊り」、「だったん人の踊り」の一部をはじめ、 いくつかの場面が短縮、または省略された簡略版ではありますが、 CDの歌詞やト書きからはわからない演技や演出が楽しめます。
マリインスキー劇場の『イーゴリ公』はリムスキー-コルサコフが補遺した初演版ではなく、ファリエクの校訂によって構成と演出を変えた版が使われています。
初演版ではイーゴリ公の帰還をプチーヴリの人々が 歓迎して大団円となりますが、 この新版では、イーゴリの再度の出陣を暗示して終わります。
2008年のマリインスキー歌劇来日公演を先取してお楽しみください!
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