今回このCDを購入してとてもよかったと思います。昔教科書で学んだ幾つかの歌も、このCDの朗読を聴いていると新たな発見が必ずあります。 それと知らなかった歌も突然その味わいに驚くことがあります。今回当たり前かもしれませんが、いかに与謝野晶子が天才であったかを知ることが出来ました。若い皆さんにはとてもお勧めできますし、私のような中年ビジネスマンにももってこいです。毎日通勤の車の中で何度も聞いています。聞くたびに深くなる味わい・・きっとあなたにも新たな出会いがあるはず・・。もっともっと知りたくなる・・そういうきっかけを与えてくれるCDです。
1巻から8巻まで読み終えました。 読み終えてなんとも言えない空虚感を感じています。 しかし、実はその空虚感こそが、司馬遼太郎が「坂の上の雲」で本当に書きたかったことなのではないかと思うようになりました。
日本の存続を懸けたバルチック艦隊との戦いで完璧な勝利をおさめた後、東郷元帥率いる船の中に、勝利の雄たけびや高揚感はありません。 普段無口な東郷平八郎は、体も心も文字通り満身創痍となっているロシアの司令官を訪れ、心からの慰めの言葉をかけます。 作戦を組み立てた秋山真之は、戦闘後に地獄さながらの船上を歩き、その惨状を目の辺りにして心を病みます。仏門に入ろうとして回りから止められ、でも結局、次の世代である真之の息子がその役目を担うことになります。
国の為に自分の死を恐れない、立派な兵がたくさんいても、その指揮をするものの能力によって、全く異なる結果が導かれるのだということも知りました。 旅順での戦いのように、たくさんの兵を無駄死にさせてしまったということ。一方で、児玉源太郎の指揮のもと、極めて少ない犠牲で203高地を取り、そこから大砲を使ってあっと言う間にほとんどの艦隊を沈めることが出来たということ。 また、ロシア側の指揮官の能力や官僚的な組織の弊害が出たお粗末な戦い方で、バルチック艦隊が小国日本に完敗してしまったということ。
不甲斐ない戦いをしている乃木将軍の代理として急遽影で指揮をすることになった児玉源太郎の乃木に対する気遣い。 常に死と隣り合わせの前線から一歩も引かない秋山好古の強さ。 現場に任せると言ったら、本当に任せる上司達。 長い戦いになると勝ち目がないという読みのもと、最初から、米の仲裁による講和を戦略の中核にすえての戦い。
そうした志の高さ、読みの確かさが、日露戦争での日本の奇跡的な勝利を導いたのだと思いました。 その当時の日本人の心や行動を知るという意味でも、やはり読んでおいた方がいい本だと思いました。
たまたま見ていたテレビからこの本と正岡子規のことを知って読んでみるに至った。
死の一歩手前にいる人はどのような文章を書くものなのかと。
そして、それはどのような心境なのかと興味を持った。
109年前に書かれたものなので、なんだかよく理解できないことも多い。それは、価値観も文化も違うからだと思うのだけれど、それでも、一本スジが通ったような美しく丁寧な文章はとても魅力的である。
今の時代の本に書かれた文章とは違って、一文一文に重みがあって深い感じがした。
めんどくさい紆余曲折はなく、ぐちゃぐちゃした感じをもうまいことストレートの球で表現してくれるような感じだった。
新聞に日々投稿されたものがまとめられた本なので、一気に読むより、気が向いたときにちょこちょこ読んだ。
正岡子規は心が自由な人なのだと思った。
内容については是非ご自身でご確認くださいませ。
マンガと英語で近代文学を覗いてみる本。
明治から昭和初期の12作品が紹介されています。各作品には18ページずつ割かれていて、その18ページが更にいくつかの小部屋に分かれているので、どこからでも読めます。まるであらかじめつまみ食いされる事を想定しているかのよう。気軽に読める本ですね。
マンガと日本語と英語で粗筋が紹介された後、『キャンベル先生のつぶやき』という部屋では原文と英訳文が示されます。日本文学の専門家であるキャンベル先生が、英訳に際して感じたことなども書かれていて、敷居の低い本書の端倪すべからざる一面が垣間見えます。
文学の紹介本としてはかなり異色の一冊かもしれませんが、読み易いです。
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