トラック1は、おそらくブラジル音楽、ヒップホップ・ソウルあたりをうまく取り入れたボーダーレスなお祭りソング/ダンス・ミュージック。センスよく、ジャンルを越えて、さまざまな音楽のいいところを受け入れていくMINMIの音楽が、東京のクラブだけではなく、日本の風土全域に開け放たれていくきっかけとなりそうな、親しみやすい曲です。 トラック2は、R&B/ソウル・バラード。MINMIのブレス遣いがとても巧みで艶やかです。トラック1の盛り上がりのあとではとくに、心地よいヴァイブスを伝えてくれます。 トラック3は、トラック1のリミックス。「よさこい」のサンプリングはありますが、純和風というわけでもありません。ダンサブルなオリジナルよりもポップな感じのリミックス。 トラック4は、そんなにハードではありませんが、ニルヴァーナ/グランジ・ロック調。MINMIはロックもいけるでえ~、といったところか。イントロが、MINMIの好敵手とも言えるヒップホップ・ソウル・シンガー「AI」の某曲とちょっと似ているのが残念。 初回盤には特典として、トラック1のミュージック・ヴィデオがついています。さすが大阪出身のMINMIらしく、浜村淳が曲紹介。MINMIとDJ、ダンサーがパフォーマンスする日本の夏祭りの風景のなかで歌詞に合わせて物語が展開。観客というかお祭りへの参加者がバンダナを振り回して踊っています。映像に躍動感があって、見ていて楽しいクリップです。ちなみに、MINMIが出演したNHKの『ポップ・ジャム』の公開録画でも、観客3000人に「お客さん全員にダンサーになってほしい」という同趣旨の目的でバンダナを配ってダンサーのひとりが振りつけ指導していました。 総合的にMINMIの果てなき探究心が表れていて中身の濃い一枚です。
カーメン・マクレエ、オスカー・ピーターソン、スタン・ゲッツと順当な選定。ナラ・レオンやマントヴァーニはご愛嬌。しかし、一枚全部同じ曲というのもいいが、聴きすぎると胸やけがする。時々聴くのがこのテのCDの楽しみ方。しかし、「サマー・タイム」はやっぱりいい曲ですね。(松本敏之)
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