田口ランディは屋久島やベトナムの紀行文・エッセイを中心に読んできたが、実は、この「コンセント」シリーズが彼女をメジャーにしたのだと最近聞き、初めて、手にした。
私はあまり小説が好きではない。
「事実は小説より奇なり」が信条で、太宰治や「ワイルドスワン」「沈まぬ太陽」のような、事実がかなり大きな部分を占めるものしか、パワーを感じないのだ。
そんな私が、この「コンセント」にはパワーを感じた。彼女の私小説的な部分がベースになっているからかもしれないが、まさに「繋がった」感じがした。
男性作家の手により、どこか女性には空々しい感じで描かれる事の多いセックスシーンも、彼女の本の中で、女性の説明の付かない衝動的本能として、ためらい無く等身大で描かれている。
また、人間の精神やその変容が、コンピューターのOSやディスクやアプリケーションに喩えられ、説明解説されているのも今日的だろう。
普段PCに接している人ほど、PC用語に喩えられた彼女の小説は身近なのではなかろうか。
また、金融に対しての、主人公の感覚も、非常に金融が生き物のように感じられ、興味深かった。
そういったディティールの面白さもあるが、やはり、何より、小説全体が中だるみ無く面白いものだった事が第一。3部作を読みきるのが楽しみになってきた。
田口ランディってとぼけたペンネームだけど、読み始めると、この人の感性・世界観ってすごいなぁって感心しちゃいました。
で、wikipediaで調べたら、女性作家さんなんですね。 てっきり男性とばっかり思ってました。 (でもそう聞くと、最初のプロットなんかは女性っぽいのかな?)
非現実的な内容なんだけど、へんにてらい過ぎてもなくて、ストーリーも面白い。 ラストも清々しくて、読後感も良いですね。
とりあえず5点満点でよろしいのではないでしょうか。
一言で言えば,IT時代の気鋭小説家田口ランディの,盗作疑惑の数々を検証・追及した著作である.肝心の「疑惑」問題だが,私個人の印象では,本書を読む限り,田口ランディ女史は黒だと思う.特にペンネーム(ハンドルネーム?) boud rate R.A.氏 の偏執的(?)とも言える詳細な検証は出色.グウの音も出ない.逆に残念なのは,大月隆寛氏の冒頭の「ようこそジャングルへ」.村上龍や安原顕による,田口女史ヨイショの提灯持ち発言を曝しているのだが,村上龍氏らの発言の出所・初出媒体が明記されていないところがあるのが困る.こういった検証本は精度が命なのだから,細部で手を抜かないで欲しかった.この点については敢えて言おう「逝って良し」であると. 本書は,名も無き一般人同士のインターネット上でのコミュニケーションを通じて上梓に至った一冊だという.本書の存在が何を示すのかは俄かに判定し難い.インターネット民主主義時代の曙光か,マスコミという第四権力に続く「インターネット・マス(大衆)」という第五権力の成立を示すのか. 田口女史の側のリアクションも気になるところだ.騒動の顛末を生暖かく見守りたい.
原作を読まず、内容も期待せずに観たら、かなり面白かった。精神世界とエロスと虚構とが入り交じり味わい深い。残念なのは、少し作りが安っぽいのと、主人公の市川美和子が映画のイメージにそぐわないこと(Hシーンが多いので、脱げる女優というと限られてくるかな?)「感じやすいひと」というのに私は魅力を感じる。相手の気持ちや状態を察知しすぎてしまい、いっぱいいっぱいになってしまうひと。でも、人間が必要としているひとというのは、そういうことを「わかってくれるひと」、感じやすいひとなんだと思う。そういう人間自身はつらいと思うけれど。全てを受け入れ、何も言わず相手を癒すことができたなら…。そんなことを考えながら観た。
これは男の人が恋焦がれた女性に 「愛している」と伝えられぬまま、 せつなく恋の炎を消して行かなくてはならぬような状況へたってしまい 「愛情」の塊に胸を焦がしてる。・・・そんなお話です。 自分に置き換わるところもあって大変、ジィーンと来ました。 たとえば、こんな方にお勧めです! 『いま、付き合っている!または、 結婚していて亭主が居る!・・・だけど、 他に愛してしまった彼が居るのぉ==!』 とおっしゃる女性諸君!! 「彼」の気持ちを分るような気分に成れるかもしれません。 少なくともわたしはなってしまいました。
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