薄井ゆうじ原作　「青の時間」第１回～5回薄井ゆうじモバイル

薄井ゆうじ原作　「青の時間」第１回～5回

享保のロンリー・エレファント

はるばる連れて来られたのに、飢饉の影響もありどうにも居場所のない「享保の像」を軸に様々な人物の人生が描かれる。
（この像は実在し、図画を国立国会図書館のHPで閲覧可能）
暴れん坊将軍として有名な8代将軍徳川吉宗と、9代家重の、父と子の葛藤と和解の場面が良かった。
最後に大団円があるのも親切で好き。
ただ薄井ゆうじらしいファンタジックな世界観で語られる江戸時代であり、重厚な歴史小説を好む人にはそぐわないと思う。
ファンタジー好きで、ハッピーエンドを求める人にはお勧め。

くじらの降る森 (講談社文庫)

読みながら情景を喚起される上手な描写で、どことなく浮遊感のある不思議な世界の物語が展開される。読後は、何となく神隠しにあった気分になる。それは、小説の舞台は紛れもない現実であるのに、物語はギリギリ現実に近い幻想世界のものだからではないだろうか。ちょっとファンタジー気分を味わいたい方にはお勧め。決してハッピーエンドではないが、少し穏やかな気分になれると思う。

薄井ゆうじ原作　「青の時間」第１回～5回

青の時間 (ハルキ文庫) by 薄井ゆうじ http://t.co/f79NKR4 世界中に名前をとどろかせている、マジシャン・ブルー。その正体は謎につつまれていて、素顔さえ見たものはいない。ブルーを日本に招聘するという、およそ不可能と思われる仕事を引き受けた僕が手を尽くし果て、途方に暮れていた時、なぜか、彼...