傑作MCMXC a.D.(邦題サッドネス:永遠の謎)に続く、エニグマの2nd Album。 しかしよーくアーティスト名を見ると、“Enigma 2”となっています。 これは日本のEnigmaのF&Q HPに記してある話を掻い摘んで書くと、 「あまりにも(前作と)音楽の方向性が違っていた」「参加ミュージシャンの顔ぶれが大幅に変わった」 というのが主な理由のようです。 音のほうは自分が聴いたところ、正に上に書いた内容が「その通り!」と言う感じで、 とにかく雰囲気が変わりました。 使用された民族音楽は前作のキリスト教文化中心のものから、オリエンタルというか、 トライバルというか、何処かアジア、アフリカを思い浮かべさせるものまで、とにかく多彩になっています。 また宗教的な空気を持ち、神話のような荘厳さを持った前作に比べて、大分雰囲気が派手になりました。 (4.なんかでは中盤にギターソロまであって驚きました。その他サウンドアレンジなんかは、 大分迫力が増してます。) メロディアスでポップな感じの曲も増えていて、より幅広い層に聴きやすくなっている気もします。 (ピアノをフューチャーした曲なんかは前作とは全く別物の雰囲気です) しかし派手になった分、前作が持っていた威厳のようなものは薄れてしまったように感じます。 多種多様な構成も何か雰囲気の統一感を失っているようで、アルバムとして見ると、 自分は前作の方が圧倒的に好きです。 このアルバムの中では抜群の完成度と雰囲気を持つ(と思う…)2.アイズ・オブ・トゥルースと、 約8分に及ぶ大曲4.アイ・ラヴ・ユー…アイル・キル・ユーが非常に気に入ってます。
80年代的なきらびやかなハードポップサウンドにのる麻里さんのパワーと上手さを兼ね備えたヴォーカル。いつ聴いても心地よいサウンドです。楽曲もノリの良いものからバラードまでどれもメロディがわかりやすくとても印象的で、車を運転しながら聴いているとおもわず一緒に口ずさんでしまうようなものばかりです。 ヘヴィメタルクィーンとかいわれて「ブルーレヴォルーション」とかやってた頃のサウンドよりもこのアルバムの方がずっとパワフルですし、楽曲も個人的にはこの作品のものの方がどちらかといえば好きだったりします。 ハードポップが好きな人も要チェックのアルバムだと思います。
ですが、今作は美女を揃え過ぎです。多少ハズレが混じってる方が見てて面白い。
このシリーズ全て持ってます!次の巻が待ちきれなくなりますっ!!絶対おすすめです★
こんなタイトルを出してしまうとヒンシュクを買ってしまうかもしれない。だが、本作(今聴くと傑作)を聴くたびにそんなことを思ってしまう…。 ノスタルジーと愛を込め、本作を中心に‘自分勝手な思い込み’を書きたい。…勘弁してください。
ゴールディはドラムンベースの‘本当’の中心人物。 メジャーレーベルからリリースした『タイムレス』はドラムンベースシーン(当時はジャングルと呼ばれてたね)の象徴だし、「ムービングシャドウ」や「リーンフォースド」のカタログNO.100に共に参加するなど1997年前後は大活躍だった。 あの頃は「グットルッキング」や「Vレコード」それに「ガンジャクルー」も盛り上がっていたし、外部から次々に参入もあった(デビット・ボーイとかエイブリシング・バット・ザ・ガールとか…)してきたりもした。こうしてドラムンベースのオリジネーターはこの時期までに出揃った。 リリースされる作品も刺激的なものばかり。1997年夏にはレプラゼントの名盤『シェア・ザ・ホォール』がメジャーのトーキングラウドから発売され、ゴールディ自身もKRS1とコラボした先行シングル『デジタル』をリリース、内側も外側もまさにピークだった。1997年当時、本作『サターンズリターン』の発売に向けてドラムンベースシーン全体が盛り上がっていった…。 このときドラムンベースの隆盛とゴールディのピーク(商業的な意味を含)はピタリと重なった。大げさではなく確かにこのときブレイクビーツの未来はコールディが握っていた。(ついでに…この頃ビョークとも付き合っていた…らしい)
私はこの時期にドラムンベースに夢中になった。(このあと6〜7年はそれに時間やお金のほとんどをつぎ込んだ) 本作の発売は1998年正月と記憶するが、近所のショップでもディスク1と2の両方が一番目立つ試聴機に入っていた。 こんな田舎のショップでドラムンベースを試聴できたのは後にも先にもあのときだけ。確かに‘ブーム’だったのだ。 そんな面にも驚いたが、試聴するともっと驚いた。
一時間も続く『マザー』。ノエル・ギャラガーが参加した『テンパー・テンパー』続けて『デジタル』…。打って変って優雅な『ビリーブ』。過激なフロアチェーン『チコ…デス・オブ・ア・ロックスター』『デーモンズ』。現在聴きなおしても力のあるビート。前作からの流れをひく美しいメロディ。数あるドラムンベースアーティストアルバムの中で抜群にバラエティ豊かで厚みのあるサウンド群。
だが… 一般的な(あんまりクラブミュージックに親しんでいない)リスナーにはあまり受けなかったのではないだろうか。 一曲目『テンパー・テンパー』二曲目『デジタル』はキャッチーなのだが以後の曲と浮いている。それに、素晴らしいがフロア向きとしか思えない曲も入っており前作『タイムレス』のようなアルバム全体としての統一感が希薄だ。 さらに、ある意味過激な『マザー』は、問題の曲であることも確かで、評価する以前に聴いてもらえなかったのではないかと思う(長すぎたり、無調の音が続いたりで。でもかなり素晴らしい曲なのだが…中盤20分ほど続くブレイクビーツだけを聴くだけでもその凄さが解る) 本作の販売数はドラムンベースCDとしては桁外れだったと思うが購入後に手放した人も多かったらしく、よく中古を凄い激安で見かける。(『タイムレス』や『シェア・ザ・フォール(特に二枚組のほう)』は見かけないのにね)ソレを見るたび本作の‘一般的な評価’を感じる。
ゴールディ自身もそれ(←一般的な評価が割れていること)は解ったと見えて比較的キャッチーなミニアルバム(?)『リング・オブ・サターン』を出してはいる。 だが、『インナーシティライフ』の輝きを取り戻すことはできず、一般的な人気は(ドラムンベース全体の人気と共に)急速に去っていく…。 ドラムンベースは‘4ヒーローのディーゴ’に言わせると1998年頃には終わっていたという。(『2ペイジズ』は彼らの集大成だったのだろう) 当時、私は‘ディーゴ’の発言に反発したが、その後本作を中心に振り返ると確かに見えてきた。 (それでも、私の熱は冷めなかったが)
『このときゴールディ(とドラムンベース)は‘時代’をつかみ損ねた…本作はその象徴だ。』 中古品店で見かけるたびにそう思う。(←ごめんなさい〜)
その後、ゴールディは本来のホームグラウンド(メタルヘッズ)で素晴らしいフロアミュージックを作り続けた。(MDZシリーズは大好きで全て買っています) だが、ドラムンベースは今もアンダーグランドのままである。再び、ドラムンベースが脚光を浴びる日は来るのだろうか?。
…そのときは別の名前になっているかもしれない。 …ジャングルがドラムンベースになったように。
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