かなりリアリティタッチの作品です。最初、ドキュメンタリーかな?と思いました。
底辺しか望めない限られた人生の選択肢、劣悪な生活環境・・
この環境下で育つ子供たちが、ささやかでも人なりの希望ある未来を掴むことができるのか想像することすら難しい。
麻薬密輸いわゆる、運び屋という職業になるということはコロンビアではそう珍しくないのだそうです。
そしてコロンビアという国は、富裕層をターゲットにしたゲリラの誘拐事件が頻繁に発生する国だそうです。 コロンビア勤務の日本人の知人は、誘拐に遭わないために危険区域には独りで絶対に行かず、現地人コーディネーターを常に連れて歩いてるそうです。
本作の主人公マリアも17歳の少女といえど悪いことをしていることに変わりない。 だけど、彼女を取り巻くその劣悪な環境を思うと、どこか同情の気持ちで見てしまう・・ 考えさせられる作品でした。
かわいい。あっけらかんとして明るいんですけど、演技じゃなく身体が反応しているのが良い。
「どうすれば障害者が生きていこうとするか」は、親がまず現実を受け止め、それを我が子に教え込まないと進めないことを暗示している気がする。文中の子どもたちは、親が昇華した故、子どもが本質はわからずとも「日々の楽しさを感じれば、自分も生きていくことができる」ことを語っている気がする。「僕が苦しいんだ」だけど、君だけでもないんだと言うことを、この本はいちばん言いたいのだと思う。
「なぜ産まれたか」の裏には「なぜ産んでしまったか」が表裏一体で存在することを、障害者自身も気づく必要があると思う。
2012年9月に、ロシア国境に隣接する山間部を中心に旅してきました。グルジアに関する資料・本は少なく、写真と文でまとめてあるこの本は貴重です。ただ編集後記に2011年12月で休刊予定とあったのは残念です・、
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