全体の方向性は、ファッション(業界)に批評の場を生み出すことや、ファッションの言葉に強さを与えることにある印象です。
まず、本書を構成するチャプターの概観をいくつか示すと、
最初に蘆田裕史さんと千葉雅也さんが美術・文学批評を例に挙げつつ、ファッション固有の論点を浮かび上がらせながら批評が目指すべき青写真を描こうと対談しています(1章)。本書中では理論編として捉えられると思います。
それに対応する形の実践編は、NIGO、UNDERCOVER、ANREALAGE、matohuの4ブランドを別の論者が独立して論考し(2章)、ストリート系/サブカル系とファッションが交差する地点として20471120やハトラ、渋谷・原宿系を考察する(5章)、という構成です(詳細な目次はフィルムアート社のHPで閲覧できます)。
なお、批評ではないものの、神田恵介さんや山縣良和さんを交えた特別付録的な異業界クロストーク(4章)はアイディアとエピソード満載で愉快です。
個人的に読み応えがあったのは身体と衣服の逆転的相関を論じたANREALAGE論と、複雑な文脈を含む西洋ジャポニスム現象への巧みな対応を描いたmatohu論です。
本書はファッション批評の序幕的なスタンスですので、総論系・理念系の話(ファッション批評は独自の言葉で記述されるべきだとか、同時代的なファッション論の積み重ねは将来のファッションの可能性を豊かにするなど)も時折り登場しますが、実際に展開される批評が読者の胸を掴むかどうかが一番大事で、本書のコアも2章のブランド論だと思っていたので良かったです。
Change Fashionでの坂部三樹郎さんと蘆田さんの対談『ファッションとファッション批評』(http://changefashion.net/interview/2011/06/29203045.html)や、山縣さんのANREALAGE論(http://changefashion.net/interview/2011/06/07202017.html)に興味があればきっと楽しめると思います。
テレビ朝日「土曜ワイド劇場」に対抗して、24年にわたり放映された2時間サスペンスドラマの歴代エンディングテーマソング集。
初代主題歌、岩崎宏美「聖母(マドンナ)たちのララバイ」の大ヒットを受け、以降、人気歌手によるエンディングテーマソングが定着しました。
様々な歌手によるバラエティに富んだ主題歌が一挙にそろい、通して聴くと非常に面白いです。
これが出るまで、シングルでこつこつ揃えてきた身としては複雑な心境でした。
なお、レコード会社の権利問題で、竹内まりやの「シングルアゲイン」「告白」のみ未収録。
また、放映中にリリースされたので、その時点(「体温/PARADISE LOST」)以降の歌も未収録。
その後5年後に、新たな未収録4曲と「1. 火曜サスペンス劇場フラッシュバックテーマ」を追加、
2枚組みの「火曜サスペンス劇場−主題歌集EX−」がリリース。
またまたシングルで買い足していたので、またもや複雑な心境。マニアなら両方買うべきでしょうが・・・。
男らしい感覚(MACHO-TASTE)を持ち、
誰よりも強く美しいマッチョガール、室戸灯(あかり)と
巻き込まれてしまったその仲間達が活躍する、
人情筋肉活劇。
すべての事象を最終的に強引に「マッチョ」で片付ける灯ねえさんが凄い。
名セリフが多いのもこの漫画の特徴のひとつ。
「マッチョだったら友達(ダチッコ)さ!!」
「ものすご好きだった」
「マッチョはいつでも唇に剃刀をくわえた女で…心は男なのさッ!!」
「心の傷をさらけ出し、その傷に指をつっこむくらいじゃァないとマッチョじゃァないんだよーッ」
笑って笑って最後は、マッチョでしめてジーンとさせる面白さ。
久々に買って良かったと思った一冊。
当然、下巻も面白い!!
今の漫画界に足りないのは“マッチョテイスト”だ!
小学校の教科書でお馴染みの中大兄皇子、蘇我入鹿、中臣鎌足、大海人皇子などの人物を巡る愛憎と陰謀渦巻く奈良時代の朝廷の模様を堅苦しくないミステリー風に綴った漫画作品! すごくおもしろいです。 中臣鎌足が百済の王子だったという描き方はええええええっってな感じで衝撃的でしたが検索してみるとそういう歴史学者さんの説があるのですね。 『勝者こそが歴史をつくることができる。敗者はそれを覆す言葉も持たぬ』 鎌足の息子、藤原不比等の作中でのセリフです。日本書紀の作成途中、藤原の都合のいいように事実を歪曲することを強要され、編者の一人が発狂してしまうという描写が深かったです。 他には蘇我倉山田石川麻呂(高校生の日本史選択者には有名ですね)の苦悩の描写も良かった…。 中臣鎌足と中大兄皇子はこの漫画の中では明らかに“悪役”と呼べますが、私はだいたい人を殺しまくる冷酷なキャラには『とっとと死ねや』と思ってしまうんですが彼ら二人はなぜか憎めない。それはチョコチョコ大海人皇子を殺す計画が全て失敗してて、シリアスに描かれてるのに少し間抜けなところがあるからでしょうか。 大海人皇子の人を食ったような余裕さに、表情をコロコロ変えてギリギリしている中大兄皇子がおもしろい。(中大兄皇子はとても真面目で冷酷なキャラです) 絵が上手いし、何より漫画力があり、興味深い歴史解釈に加え、色々なカタチの“人と人との関わり”の描写が上手い作家さんだと思います。 最後に、一言だけ言わせてください。『遠智媛タンかわいいよ遠智媛タン』
懐かしい!確か連載してた頃に読んでいたのを思い出し買ってみたら、まぁ面白いこと... 当時の生活感覚が分かるし、話の内容は今ではあり得ない商売屋が出てきたり心に響くセリフが多く20年前の若い時と今とでは感じ方が違うのか 改めて面白く読める漫画です!
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