原口スポ魂ベンくんのスペクタクル動画研究所
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おすすめベスト10!
幻夢 オールタイム・ベスト・アルバム
思わず買ってしまいたくなるリニューアル。中身は最新リマスターと、収録曲の全体の三分の一が新たにリミックスされている。 個人的には、夜明けの口笛吹きのリマスター盤は通常盤しか持ってないのでM1とM2が収録されているのが直接的な購入動機だが、リミックス音源は雰囲気が変化していて聴き比べる楽しさもある。 カリスマ的な魅力を放つシド・バレットという不世出のスターの、一定の枠組みで形容する事の不可能な才能の片鱗を感じたければ、入り口としては十分かつ手頃なベスト盤だ。
スペシャル・ブレンド・ミステリー 謎002 (講談社文庫)
推理小説代表作選集 71年、81年、91年のなかから作家の宮部みゆきさんが選んで編んだ、短編集です。
生島治郎 森村誠一 小松左京 佐野洋 都筑道夫 原りょう 夏樹静子 の7作品どれも珠玉でした。
とくに、面白かったのが小松左京の「闇の中の子供」
「歌舞伎の演目の不自然な筋運び」についての洞察が素晴らしかったです。
また、佐野洋の「暗い窓」は
短くて「会話だけ」がサラリとかかれているのですが、
情景や心情がはっきりと伝わってきて、
トリックも面白く楽しみました。
選者が
「エル・ドラ・ドのなかでダイヤモンド鉱を掘るようなこと。」と表現しているとおり、
どの作品も面白くて、あっというまに読み終わってしまいました。
太平洋の翼 [DVD]
基本的には「戦争は悲しいことだ」という気持ちを込めながらも「限られた資源で必死に戦った先輩たちの健闘には敬意を表したい」という、高度成長期の日本人の平均的な戦争観、戦死者追悼観を託した映画。ある意味で「古きよき」映画。
テレビが普及しはじめた初期で、まだ劇場映画が娯楽の主流だった時代だから、特撮にも相当お金をかけることができたらしく、CGのない時代にしてはよくできている。また、海上自衛隊ができて間もない時期だったので、太平洋戦争時代とあまり変わらぬ旧式な型の護衛艦や潜水艦があって、それらが実写で出てくる。
が、松林宗恵監督は、戦争映画にかなりフィクションを持ち込んだ人で、「これは史実ではない」という部分は冷静に認識しておいたほうがよい。映画の前半で、昭和19年末〜20年年頭ぐらいの時期にラバウル、硫黄島、フィリピンなどから優秀なパイロットたちが敵の包囲をかいくぐって脱出し、本土に馳せ参じるように描いてあるが、実際にはこういう例はほとんどなく、三四三空に参加したのは、それ以前に本土に召還されていたパイロットたちだったろう。
また、昭和20年4月7日の朝、松山を飛び立った紫電改の一群が戦艦大和を護衛して、大和乗員たちを感動させる場面があるが、これは創作だ。その日、午前中だけ大和上空の護衛についた戦闘機群があったのは事実だが、これは、鹿屋基地の宇垣纒中将が、「大和に上空掩護機を一機もつけないのは、あまりに気の毒だ」として、独断で飛ばせたゼロ戦の一隊だった。しかも、宇垣の命令によってこの護衛は時間限定つきだったので、結局、大和と運命を共にした味方戦闘機は一機もなかった。
松林監督の「こうであってほしかった」という思いが描かれているのだ。
ところで、この映画の「千田参謀」のモデルであることが明らかな源田実は、戦後は潔く隠棲した井上成美大将などとは異なり、自衛隊幹部になり、アメリカ製のジェット戦闘機に乗り、参議院議員にも当選して、ぬけぬけと陽の当たる道を歩んだ。映画の「千田参謀」とはギャップがある。まあ、そんな彼も、昭和の終わった年の8月に松山を訪れていて発病・入院し、15日に松山で死んだのだから、「先に死なせた多くの部下」に呼ばれて、ある意味で「責任を果たした」死にかたをしたのかもしれないが。
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