東京オリンピックがあった1964年がメインだがそれはあくまでも借り。 今回は日本がより豊かにという時代を背景に三丁目の人々の岐路を描いている。
竜之介に作家としてのライバルが生まれ危機に直面、鈴木オートの発展、 若者の成長などといったように。
役者陣も作品とともに成長した人、既に熟した才を放つ人 それぞれがきっちり世界に戻れている。 他作品、分野で活躍していたにもかかわらず。
また昨今見せすぎの映画館での予告編、テレビCMが多いなかで ハイライト、スポット的に見せたシーンがすべてでなく、 あくまでもそれはそれ。 本当の見所は作品にあるという、これは作品が3作目になったという 余裕、自信の表れと感じた。
国立競技場でサッカーを初めて観た2人が「つまらなかった」と言うシーン。 29年後そこでJリーグがスタートするあたりを 想像するとちょっと可笑しかった。
なによりこういう喜怒哀楽がはっきりした作品は雰囲気も余韻も心地いい。
私はまだ10代後半で、この時代の事は想像する事しかできません。
けれど、
あったかくて、 やさしくて、 いとおしい。
そんな涙、最近の映画に流したことありますか?
悲劇的な展開、死別や恋人との別れなどで泣かせようとする作品はたくさんあります。
けれどこの作品は、ウルッとくるのが悲しいシーンばかりではないので、泣くのを我慢したくなるんです。
我慢して我慢して、それでも負けて次々と涙が溢れてきます。
泣かせようとしてないんです。
こっちが我慢できずに泣いてしまうんです。
特に今作は、人間と人間の繋がりのあたたかさがどこまでも丁寧に描かれています。
血が繋がってなくても我が子同然に子を想う人、近所の人、様々な人と人が繋がっています。
それはどれも、あたたかい。
見終わった後にこんなにもあたたかい涙を流しながら余韻に浸れる映画はなかなか無いと思います。
疲れた時、心が荒んでいる時、あたたかな気持ちにさせてくれます。
この時代を生きた人だけではなく、10代や20代の人が見ても必ず良いと感じるはずです。
昭和を題材にした映画ってなんかなぁ…等と敬遠せずに、是非手に取って見て頂きたいです。
「豪華版」の特典ディスクは凄く優等生的に作られており、 どこか物足りないと思った方もいるのでは。 自分もそんなひとりなのだが、本来ナビゲートとして作られた 本DVDはそれを補うに十分なものだ。
当然「被る」シーンもあるが、豪華版になくてこちらに収録されて いることが多い。 「マジックアワー」では東宝スタジオの街並みを三谷監督が喜々として 案内している特典があったが、夕陽町の街並み解説もこちらの 方が充実している。 VFXメイキングも新幹線や電車のシーンなどはこちらの解説の方が詳しい。
それからRobotの阿部プロデューサーのインタビューもこちら のみの収録だ。「3作目をやるなら東京五輪でしょ」という話は納得だし、 また本当は2作目さえ作る予定じゃなかった話も面白い。 どうして鉄道関係のVRXがあそこまで凄いのか、その意外な理由もわかる。
俳優へのインタビューもマギーや温水など脇を固めるところまで 押さえてある。どうしてこれを豪華版に収録しなかったのだろう・・・ というか、ファンは両方買うだろう、という東宝の読みがあった のかもしれないね。
1作目・2作目の簡易説明も付いているし、久し振りに3作目を 観る方は、先にこれを観た方がいいかも。 星は4つです。
いい映画だよ...とは聞いていたのですが
実はそんなに期待していませんでした。
(オープニングが始まってすぐは CGが気になるし...)
ところが、見終わった後は、不思議なくらい素直な
気持ちの自分がそこにはありました。
不覚にも途中、何回か涙をこぼしてしまいました。
舞台は昭和33年。ちょうど私が生まれた年です。
氷で冷やす冷蔵庫や、テレビが家に来た時、
近所の人が集まった話は、父母から聞いた記憶があります。
映画では戦争の傷跡が人の心に残っていましたが、
私の小学生時代でも、街にも人にもまだまだ残っていました。
そう言えば、シュークリームを食べるだけで
ワクワクできる自分がそこにはありました。
何もなかった....
でも、輝かしい未来に対する希望を
毎日ワクワク感じながら過ごすことができた
素晴らしい時代だったんだなぁ〜と
映画を見終わった後、心地よいノスタルジーに浸りきってしまいました。
映画のラストで、主人公の子供が
夕日を見ながら「50年後の夕日もきっと綺麗だよ」と
いうシーンがあるのですが、今の子供って、はたして50年後の未来に
あの頃ように、希望を感じる事ができるのでしょうか?
何はともあれ
昭和30年代を知っている世代はもちろん、
知らない世代の方にもぜひ一度見て頂きたい、お薦めの映画です。
魔界の住人と人間とが、何の疑問もなく共存している世界観が好きです。
ときには、人間より魔界の住人の方が良い人(?)が多いよな〜と思えたり。
鎌倉をあちこちのんびり散歩しているような、不思議な空間を楽しめる本です。
新刊を待ち望んでいるのは、この本とゴルゴ13です。
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