東京、杉並区阿佐ヶ谷を舞台にした、ある意味中央線気質な映画。 クサいなあと思う台詞でも、後々効いてくるから不思議です。 さらにクサいと思う演奏シーンも、かなり効いてくる。 昭和と平成の間を行き来するような、あったようでなかった不思議なトーンの映画。
現代でも通じるような本質論的な話もあったが。著者がバリバリで女遊びをしていた頃とは時代が違いすぎるので、話半分くらいで読むのがいいかもしれない。
この度はどうもありがとうございました。とても満足しております。また、ご縁がございましたら宜しくお願いいたします。
1978年の芥川賞受賞作。剣道に熱中する高校生・小林勇の成長する姿を描く連作短編3作が収録されている。
高校生を描いた最近の部活モノの小説とは少々異なる印象を与える。筆致が非常に男性的といえようか。著者が、主人公を突き放しているというか、剣道に打ち込む高校生の日々をたんたんと描き出している。
主人公の勇は、男子高校生がそうであるように、自分とうまく折り合いがつけられないところがある。だが、剣道部での活動、異性へのさまざまな想い、夏休みの放浪旅行、基地の町でのアルバイトなどを通じて、徐々に自分や世界との付き合い方を学んでいく。不器用で、ときに乱暴なときもあるが、着実に前進していく勇の姿勢はすがすがしい。
時代をこえて残っていく青春小説のひとつだと思う。
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