ミッションインポシブルは、現代のスパイ大作戦。自分が幼いころこの曲を聴きました
演奏はすべて、U2のアダム・クレイトン(ベース)とラリー・マレン・ジュニア(ドラム)。 言わずと知れた『スパイ大作戦』のリメイク、トム・クルーズ主演の『ミッション・インポッシブル』のテーマであるトラック1は、おそらくどなたでも聴いたことがある『スパイ大作戦』のテーマのリメイクです。 トラック2は、ブレイク・ビーツ炸裂。1、2は、アダムとラリーにデヴィッド・ビールが加わった(ほぼ)セルフ・アレンジ、セルフ・プロデュース。ただし、2はジュニア・ヴァスケスによるリミックス。 そのあと、トラック3、トラック4にかけていろんなサウンド・エフェクトを入れて曲を崩していく感じです。トラック5になると、ノイズというかダブがかかったというか歪んだ音になり、かなり低音が響いてくる感じです。以上、3、4、5のアレンジとプロデュースは、テクノへのアプローチを極めたとされるU2『ポップ』(1997年)のプロデューサーのひとり、ハウイ・B。ただし4はゴルディー&ロブ・プレイフォードによる、5はデイヴ・クラークによるリミックス。 五つのトラックすべて、基本的に原曲の面影を留めており、リスナーの飽きを防ぐためにだけ、こまめにアレンジとリミックスを繰り返している感じです。CDのレーベルには、「このCDは、19分47秒経つと、自動的に(自己)崩壊する(THIS CD WILL SELF-DESTRUCT IN 19 MINUTES AND 47 SECONDS)」と書かれていますが、これはもちろん『ミッション・インポッシブル』のテーマ曲であることにちなんだジョークです。実際は、何回でもというか、普通のCDのものと同じ寿命が尽きるまで再生できます。
U2のアルバムは数あれど、この時代が一番パワーがあったように思う。
アルバム全体を通して感じて欲しいのはその音楽の多様性。
それは、詰まるところ「U2の歩いて来た足跡」そのものである。
2曲目にはギタリスト:エッジによるボーカルも聴くことが出来る。
ゴスペル教会でのコラボレーションに、BBキングとのブルースセッション。
ロックも、ハードなものから、スローなものまでと、実に多様。
音楽性の深さ広さも感動的だが、1曲1曲の持つ「響くもの」こそ感じて欲しい。
とにかくこの時期のU2は非常にかっこいいのだ。
スタイルがそもそも渋く、若い時代とは思えないほどにクールである。
ライブ音源・スタジオ音源の混合という珍しいアルバム構成も目玉だが、
そういう難しいことは置いておいても楽しめる作品の数々が並ぶ。
U2が生み出した独特の音楽性の数々を感じることの出来るこのアルバムは、
ぜひ聞いて欲しい1作となっている。
87年発表の彼らの5枚目のアルバムにして、全米、全英でのトップを始め、全世界で3000万枚近くを売り上げ、グラミー賞も受賞したアルバムです。
彼ら−とりわけ初期−の特徴であるボノの熱唱、エッジの突き刺さるギター、そして、確かなリズムを刻むベース&ドラムが相まって、刺激的な世界を作り上げています。
ただ、やはり、曲のよさが際立っているのが、爆発的な売り上げに繋がったと思います。tr1〜3の流れが好きな方が多いようですが、tr4以降も、ほぼ全編に渡って、ハードな曲、バラードと多彩な良い曲が続くので、飽きが来ないのも魅力でしょうか。
U2はまだという方には、ベスト盤から入るのも良いのですが、この世界的名盤から入るのもお奨めです。
ロックというよりはもはやポップスに属するのでは?と思えるほどライトで爽やかなミキシングがなされ、とても心地いい音。U2という看板を外せばもうこれは文句無しの完成度だ。しかしこれはバンドの成熟や玄人というのとはやや違う完成度なのだ。音の一つ一つが泡沫のように表れては去っていく、どこまでも美しく穏やかなサウンド。うーん、これは一つの境地なのか?いや、手器用になっただけなのか?ただ、ここには「sunday bloody sunday」の頃のように荒ぶり猛るU2はいない。ここ最近の煮え切らないアルバムに比べれば上出来なのかもしれないが、どこか腑に落ちない。イーノの影響がとにかく顕著。イーノ仕込みの音の仕立てっぷりはほんとに素晴らしく彼のベストワークに入るだろう。イーノ愛好家にはたまらないアルバムだ。
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