マチューの声、歌唱力とも素晴らしい。ドイツで製作されているため、日本語の解説が無いのが残念。でも時間をかけ訳していきたい気分にされる。30年ぶりで聞くマチューの声は当時と変わらず感動を呼び戻してくれる。
キャピトルレコードのCDで曲数、選曲も十分満足のいく2枚組でした。
聞きたい曲がすべてはいっています。
音質も満足のいくものでした。
彼女の美声が再現されて、
いうことなし。
好みの楽曲が10曲以上ある歌手は少ない。しかも該当する歌手の大半はフランス人だ。ミッシェル・ポルナレフ、エンリコ・マシアス、サルヴァトーレ・アダモ、シャルル・アズナヴール、ダニエル・ヴィダル、シルヴィー・ヴァルタン…。 わけても圧倒的に多いのはミレイユ・マチュー。が、ふと考えてしまう。楽曲が好みだというのではなくて、彼女の声質でどれも好みの曲に聴こえてしまうのではないかと。あの小柄な身体から繰り出す偽りのない歌いっぷりは、他の追随を許さぬものだ。はじめて知ったのは「ラスト・ワルツ」。先にエンゲルベルト・フンパーディンクの歌唱によるこの曲を聴いていたが、マチューを耳にしてしまったらもうダメだ。その後一度もフンパーディンクを聴く気になれないままとなった。 深く耳の奥に印象付けられて、一日中そのメロディーが頭から離れなくなることもある。「La Marche de Sacco et Vanzetti」(このCDには収録されていない)などはその典型的な楽曲であると思っている。 さて、数あるミレイユ・マチューのCDのうち、この「Bonjour Mireille」には、特に素晴らしい楽曲が沢山入っているというのが私の感想。2枚組CD、2枚目の第5番目「DER TRAURIGE TANGO」は聴き惚れる。 イタリアのミルヴァ、ギリシャのナナ・ムスクーリ、日本の天童よしみ。好きな女性歌手は多いけれども、フランスのミレイユ・マチューは別格だ。そのミレイユ・マチューの名を知らない人間が周囲に大勢いることが、とにかく信じられない私である。
マチューの熱唱ぶりは気合が入っていて(“小鳥”と呼ぶにはちょっと激しすぎる!?)素晴らしいと思います。 メロディーに癒され、歌声で活力が湧いてくるーそんな曲ばかりです。 三曲目の“ラ・カリファ”はこれまでいろんな女性歌手によってカヴァーされた名曲で、NHKの“ルーヴル美術館”でも流れていたようです。 一曲目の“あなたが帰る日”四曲目の“まばゆい光”は、それぞれ“ウェスタン”“夕陽のギャングたち”という二大マカロニ・ウェスタン傑作曲をフランス語でラブ・ソング化したもので、このディスク一番の聴きものになっています。 また六曲目の“私は思い出す”は、“神は我らと共に”という戦争映画に使われた佳曲です。 とにかくクオリティの高いCDで、まだ聴いていない方、必聴です。
面白いのはこのディスクの解説書の裏カヴァー。 モリコーネ、マチューと一緒に写っているヒゲ面のオヤジは映画監督セルジオ・レオーネです。 モリコーネの体にはマチューの影が映っているので、一緒に撮影したものなのでしょうが、問題はレオーネ。 どうも合成写真には見えませんし、かといってあの顔のデカさは異様だし、レコーディングにこの人がわざわざ立ち会うーというのも何か変ですしー・・・。 いろいろと考えさせらる裏カヴァーです(オタクっぽいレヴューですみません)。
フランスの映画音楽の巨匠ミッシェル・ルグランが音楽を担当。さすがに素晴らしい音楽空間を醸し出している。ストーリーそのものはシンプルなものだが、音楽という調味料でこの映画の全域が美しい印象を我我に与えてくれている。この映画にミレイユ・マチューが「モンパリ」を歌うシーンがあるが、見終わったあとでも妙にそのシーンが頭に残る。ほのかで良い作品である。
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