カートコバーンに興味のある方は充分に楽しめるでしょう。 なんてったって500P近くもカートの人生を 追っている本なのですから。 しかしながら、親族や友人がコメントで登場し かなり’詳細’に書かれている部分もあるため「本当かよ?」と 思う所もあります。 あと希望としては、カートが絵を多く描いていた事や人形などを 使ったアート作品をたくさん造っていたというような記載が 結構あったので、原画や実物の写真を載せてくれれば、もっと満足でした。 でもやっぱり、文頭にも書きましたが500Pにもわたって カートの誕生から死までをかなり詳細に追っている本なので 全てが本当かはわかりませんが、カートに興味のある人にとっては 充分に楽しめる内容だと思います。
ライブなどわずか。ミュージシャンのドキュメンタリーなのに・・・。
でも、見てしまう。死して尚ここまで訴えかけてくる人生!感動!
このインタビュー音声は、カートが唯一心を許した ジャーナリストに語った心の内であると聞く。 とするなら、誤解のないようにファンに向けて語った 自身の正直な気持ちであるはず。
「俺は偶像崇拝されるのを拒否するよ。」
彼は、自分のことを神のように扱う人達に 心底うんざりしていたらしい。
彼の真摯な気持ちが彼自身の声で語られる、 人間、カートコバーンを知る事の出来る、 数少ない誠実な作品だと思う。
カートを罵るジャナーリスト、幼いカートのアルバムをめくり思いを馳せる祖父、カートの自殺を知った日を泣きながら語る元・ガールフレンド。カート・コバーンという人がロックスターであったのと同時に、心に傷を負った一青年だと分かる。こうなることを予期していたのに、なぜ誰も止められなかったのか?という人々の思いが伝わってくる。
同著者の伝記本、Heavier than heaven と基本とする内容は同じ。
ただこちらは大型本で、これまで公開されることの無かったとてもプライベートな写真(例えばコートニーの撮影したカートや、カートが撮影したフランシス)や、カートの描いた絵やコレクションなどをたくさん掲載した、Heavier than heaven の写真集バージョンといった感じのもの。 伝記本での、活字という媒体では伝えにくかったもの、カットせざるを得なかったものを写真という媒体の持つ長所を活かして多くの写真と共に伝えていく(活字も多く、写真集ではない)。 曲のタイトルにもなった、コートニーがプレゼントしたHeart-shaped boxやコレクションしていたTシャツ、人形など様々な写真が掲載され、それらの写真を中心にカートのパーソナルなエピソードが語られていく。
そして何と言ってもこの本の一番の特徴は、本の中の所々に組み込まれた仕掛け。 例えばTeen spiritの歌詞が書かれたノートの切れ端(ルーズリーフの紙を1枚本当にちぎったみたいに、ファイルを留める穴が破れている)や、ポラロイド写真(本物さながらで、裏面までポラロイド写真として再現されている)、カートのコレクションしていた お面(実際に顔に装着出来る様、ゴムまで付いている)などが、実物さながらに作り込まれて挟まれている。
全体的にとても凝った内容で、Heavier than heavenを読んで心揺さぶられ ”それでもまだ足りない” と感じるファンにとっては、前出書が奇跡的に優れたものであっただけに、まさに奇跡の一冊。 カートの持っていた独特の美学みたいなものが、写真で見るとまた違った形でよく伝わってくる。
With the lights out(レア音源+レア映像集)と、Heavier than heaven (徹底取材の伝記本)の中間といった位置づけ?
いずれにせよ間違いなく、ディープなファン向けのアイテムと言えると思います。 ただとても凝った作り方に、愛情みたいなものを感じられるので、ディープなカートファンにはとても満足出来る1冊となると思います。 (蛇足ですが、個人的にはWith the lights outにも同じ様な作り手の愛情を感じました。)
著者のCharles R. Crossは本当に優れたドキュメンタリー作家で、何か運命的なちからで、上手く生きられなかったカートの残された仕事を(伝えられるべき物語を伝える)やっているのではないか、などと彼の本を読んでいて思ってしまいました。
以下のサイトから、本の詳しい内容を確認出来ます。 http://www.barks.jp/news/?id=1000055097
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