タイトルの通り、今年の始めにその生涯を閉じた
ヤセル・アラファトの伝記です。
1994年に発行された本なので、中身はアラファトの
誕生から闘争運動を経て、自治政府代表としてガザに
帰還する所で終わっています。
以下は他の本で見受けられなかった(その内容が
真実であるならば)お薦めな部分です。
(既知の方は無視して下さい)
・アラファトとの会見記。
・流浪の民だったユダヤ民族が、如何にして
今度は加害者となってパレスチナ民族を
弾圧してきたか。
・湾岸諸国はことある度に「アラブの大義」を
持ち出していたが、それがお題目に過ぎなかった
こと。
でもね……この本はアラファト贔屓なのよ。
その点を注意して読まないといけない。
この本ではイスラエルをテロ国家と断じて
いますが、アラファトやその組織が行ってきた
行為については殆ど触れずじまい。
(テロ行為もそうだが、PLO議長になってからの
資金横領、身内贔屓など数々の疑惑にも一切触れて
無い)
それを考えると、アラファトを「20世紀最高の
スーパースター(本文より)」と褒めちぎって
いるのは如何かと思います。