ストラヴィンスキーの父はペテルブルク・マリインスキー劇場のバス歌手であった。よって、ゲルギエフとこの管弦楽団のコンビにとって、この作曲家の「3部作」などは最強の持ち駒といえる。
「
火の鳥」初稿全曲版は、組曲版に慣れたリスナーにはながく感じるだろうが、それを厭きさせない見事な色彩感覚と技法にあふれ、冴え冴え(さえざえ)たる音響空間づくりに感心する。第12曲「
火の鳥の出現」から第15終曲にいたる「追い込み」の迫力はたいしたものである。スクリャービン「火の詩」(交響曲第5番)との組み合わせも悪くない。こちらも緊張感に満ち、強烈なエンディングまで一気に聴くことができる。
今回、低価格で再リリースされるとの事で、これは絶対に買いです。
出だしのコントラバスからゲルギエフ色に染まっており、これからどんなストラヴィンスキーが繰り広げられるのか好奇心に駆られます。ゲルギエフはあえてオリジナル版を使用しており、ゲルギエフがオリジナル版を使用した意図をこの録音から訴えかけており、
ロシア的アプローチ満載の演奏だと思います。
フィナーレは感動的な演奏になっており、ゆっくりと着実に音楽を奏でていってます。
火の鳥の魅力満載のこのCDが低価格でリリースするのはフィリップスもがんばったと思います。是非ストラヴィンスキーファンの方には聴いてもらいたいディスクです。
録音は、良好でダイナミックで、弦楽器からグランカッサまで雄大に録れてます。