ロマンティック・バレエの名作コッペリアを、キーロフ・バレエが新たな演出で上演したものです。そのためオリジナルとはステップや曲順も異なります。舞台や衣装もカラフルで、農村劇なのに華やかで都会的です。オープニングが、スワルニダとフランツのキスシーンから始まることや、コッペリウスの家がマッド・サイエンティストの研究所のようになっているのも、現代風の演出のためだと思います(それになぜか、コッペリアはとてもキュートです!)。また、撮影されたのが新しいためか、
ロシアバレエの映像としては非常に綺麗で、さらに華やかに見えます。
しかし、そのためコッペリアの原作が持つおどろおどろしい雰囲気は無く、人物描写、特にコッペリウスは、薄っぺらいものとなっています。個人的にはプティ版の演出の方が、このバレエの現代的解釈として正しいと思います。
ただ、お気楽に楽しく可愛いバレエを鑑賞したいのならば、オススメの一本です。
コッペリアの音楽が好きで、アンセルメ指揮のものを持ってましたが、何しろ、録音が古く、音が悪い、せっかくの美しい音楽が気持ちよく聞けない、それで、仕方なく、これ、どうなんだろうと、買ってみて、笑みがこぼれました。十分に聞かせてくれる、しかも、テンポがゆっくりメで、とことん、細部までその美しさをつかみ出してくれる。大満足で、聞いてます。
カラヤンはもともと歌劇場の指揮者です。ウィーン、
ドイツの国立歌劇場での彼のキャリアは素晴らしいものでした。そして、歌劇場に欠かせないのがオペラともうひとつ、バレエです。そういうことから当然
カラヤンはバレエ音楽を振ることは当然うまいんです。それを証明するかのような、録音がこれです。1960年前半、まだ
カラヤンがウィーン国立歌劇場の監督をしていたときのものです。
カラヤンと
ベルリン・フィルの演奏に勢いと優雅さが同居していて、この曲の名盤中の名盤です。