失恋男役の金城武&男に裏切られた女役のブリジット・リンの1話と不思議ちゃん(?)役のフェイ・ウォン&失恋男役のトニー・レオンが演じる2話目のオムニバスドラマです。1話目はブリジットの演技が良かった。ずっとサングラスをしたままなのに彼女のやるせなさや哀しみが伝わって来ます。恋の賞味期限話も良いですよね、必死にパイン缶を食べる金城武良かったです。2話目はラストが良い。本当に好きな人の生身に近付く不安に逃げ出してしまうフェイ。ラストのトニーはそんな彼女の全てを受け入れたようでとても素敵でした。
1994年の劇場公開時に映画館で見て、脈動感あふれるな映像と、しゃれたモノローグ、そして見る者の感性を突き抜けるようなセンス抜群の音楽に、めちゃくちゃ感動した記憶があります。
先日、インファナル・アフェアーを見た後、トニー・レオンが「恋する惑星」にも出演していることを思い出し、また見てみました。13年経ってるなんて全然感じないほど、新鮮で、おしゃれで、本当にすてきでした。
私は、あんまりヘビーな恋愛映画は苦手です。一目ぼれ、三角関係、誤解、仲直り、キス/ベッドシーン、結婚式でめでたしめでたし、、、なんていう
ハリウッド型もしくは韓流恋愛ものには食傷ぎみ。でも、この「恋する惑星」は、一風浮世離れしたおしゃれなおとぎ話。今見てもしびれます。
香港の雑踏の中にクロスオーバーする2つの恋の物語。一つの恋が終焉を迎え、また別の恋がスタートする。恋する者の微妙な心のひだを、斬新な映像美と、クールな台詞、抜群の感性の音楽でまとめるのは、真似しようとしても絶対に真似できるものではないし、ストレートなラブストーリーを撮るよりも返って難しいのではないかと思います。「その時、彼女と僕の距離は0.01ミリ。その57時間後僕は彼女に恋をする」「恋の賞味期限」なんていう台詞がキラキラしてる。最後にトニー・レオンが恋人に飛行機の手書きの搭乗券を書いてもらう時の「行き先はどこにする?」「君の行きたいところに」っていうエンディングの台詞も本当にステキ。こういう映画が作れるウォン・カーウァイってすごい監督だあ。。。。
失恋した人も、恋人がいない人も、そして恋人がいる人も、この映画を見て、きっと、楽しく、元気になること請け合いです。私にとっては、恋愛映画ベスト3の一つです。