さっそく
鉢植えにしました。黒房スグリは葉がたくさんついていました。赤房スグリのほうは全く葉がついていませんでしたが根元から4本の枝が出てそれに冬芽がついているようでした。春になって芽吹くのが今から楽しみです。
「僕は『それぞれの秋』に刺激されて、『北の国から』を書いた」。過日、対談番組『みんな子どもだった』(BS-TBS)のマンスリーゲストが山田太一さんのとき、ホストの倉本聰さんがそんなことを言った。「禁じ手のナレーションをうまく使っている」と褒め(?)、その発想のきっかけを問うと、「アメリカのドラマの『逃亡者』のナレーションが素敵だったのに触発されて」と山田さん。僕は『それぞれの秋』という作品を知らなかったが、俄然興味が湧いた。
佐々木マキさんのイラストが素敵な本書を、一気に読んだ。面白かった。これを1973年にテレビでやったと考えると、「早いなあ」と思う。あとがきで山田さんは「ブラム・ストーカーのドラキュラをやりたかった」と書いている。どういうことか。それをここで呆気なく明かしてしまうとつらまないので、ぜひ読んでみてください。この作品には、後の山田太一ホームドラマ、例えば『岸辺のアルバム』『早春スケッチブック』『ふぞろいの林檎たち』など代表作の萌芽のようなものがたくさん散見される。
僕は、遅れてきた山田太一ファンだ。リアルタイムで全盛期の山田ドラマを観賞していない。『ふぞろいの林檎たち』はビデオで見たけれど、『岸辺のアルバム』も『早春スケッチブック』も映像を知らない。シナリオや小説で親しんですっかり魅せられ、活字を通して山田作品の熱心な愛好者となった。『それぞれの秋』もきっとドラマを見ることはないだろうが、小倉一郎、小林桂樹、久我美子、さらに高沢順子も
桃井かおりも、みんな素晴らしかったろうなあと想像できる。活字で読むだけで、ありありと俳優たちの芝居が頭に浮かんでくる。山田さんの脚本がしっかりしたイメージのもとに書かれている証左だろう。