今回は、マサやんとレンがメインの話です。
クイズの
プリンスさまは、鈴村さんと諏訪部さんですが、とっても面白かったです!
女性とアジアに大きな関心を持つ著名な朝日新聞編集委員(1934−2002)が1987年に刊行した新書本。著者の経歴と問題関心については、「はじめに」で明快に述べられている。本書は著者の取材経験に基づき、アジア諸地域の民主化、低賃金労働、海外出稼ぎ、少女売春(人身売買問題)、「伝統的」差別(持参金殺人等)等の諸問題を、女性の視点から論じた本である。本書から分かることは、第一に社会に翻弄されつつもそれに懸命に抵抗せざるを得ない女性たちの強さであり、第二に第三世界の女性にのしかかる三重の重荷の存在(南北格差、階級支配、性差別)であり、第三に先進国の豊かさと発展途上国の貧しさとの密接な関連性(国際分業の問題のみならず、公害輸出や差別再生産の問題も含む。また、途上国の地方から中央への人口移動は、そのまま海外への人口移動とも連結している)である。ともすれば、発展途上国の諸問題は国内問題として見なされ、最悪の場合、先進国人のプライドを満足させる為の反面教師のように扱われる傾向さえあるが、本書はそうした見方を批判し、「われわれの」問題として(先進国の豊かさの踏み台として、或いは先進国では見えにくくなっている問題が貧困の中で拡大されて現れたものとして)それらを捉えようとする。それらは著者の評価する人々の懸命な運動にもかかわらず、グローバルな見えにくい構造(著者はこれに意識的であるが、実証することはなかなか困難である)に規定されたものであるがゆえに、非常に根強く再生産されている。実際のところ、我々先進国人にとって、不当な介入と正当な支援との線引きさえなかなか難しい(独裁政権下での経済発展支援の是非や、非合法な民主化運動支援の是非など)。本書は、こうした問題を考える上で、非常に有益な刺激を与えてくれる本である。私には
紅茶プランテーションの状況やティーハウスでの売春の話も興味深かった。