ARIELのタイムスリップ話を彷彿とさせるなぁと思ったらきっかけが同じだった。
話としてはいつもの笹本節(解説、考察、電子戦、出たとこ勝負)なので安心して読める。が、弁天丸とその
スタッフの影が加速度的に薄くなるなぁ…
過去だの未来だのへ飛ぶって話とか、人を生き返らせるとか、そういうのは陳腐すぎてもう興味がなくなってます。それを2回も続けてしかも完結せず。キャラの魅力がなければ、星なんかつもあげたくない、って気持ちです。劇場版のほうがよっぽどよく出来てましたよ。
特製パッケージはウエディング
ドレスのジェニー前部長率いる現3年生組。
中に隠れている通常パッケージは巫女装束のチアキ率いるコスプレ現1&2年生組。
しかしジェニーもチアキもこうやってみるとどっちも組長だよな。(笑)
今巻は「白鳳海賊団編」。
まさかの全乗組員隔離の事態に陥った弁天丸に「私掠船免状」失効の危機が迫る。
唯1人、難を逃れた船長・茉莉香は白鳳女学院ヨット部メンバーでの海賊稼業という大バクチに打って出る。
更にリン部長が持ち込んだまさかの依頼とは。
海賊稼業にノリノリだったヨット部メンバーだったが、意外に綿密な海賊業務に不安感増大。
それに檄を飛ばして引っ張る茉莉香。
これまで“プロ”である弁天丸クルーに支えてもらっていた茉莉香が逆に引っ張らざるをえない立場になり、実は隠れていた母譲り(父譲りとの説も)の海賊の血が見えてくるというのがキーとも言える。
実際にもよくある、教えられていた側が教える側に回るとより成長できるというブースト効果が描かれており、この後の茉莉香の船長っぷりにも根拠を持たせている格好だ。
そして実はチアキの心境変化も描かれていく。
バルバルーサの船長跡継ぎでもあるチアキ。
これまで“ライバル”と見ていた茉莉香を認めて、15話で初めて名前で呼ぶようになる。
そして弁天丸を現状では一番わかっている茉莉香のやりやすいように一歩引いて副官役を演じる。
突っ走りがちになる彼女にところどころ苦言を呈しながら。(茉莉香が「お母さんみたい」と言う所以)
ただやっているうちに「自分は船長タイプではなく、副官タイプではないか」と気付き始めるチアキの心も見て取れる。
とは言いつつも、弾ける時は弾けちゃうのがチアキのかわいいところ。(笑)
そして最後の乾杯でリリィに「チアキちゃんのお別れ会もやっちゃおうか」と言われた時の笑顔に、初めて同年代の仲間を得た嬉しさが出たのではないか。
一般的に言われている茉莉香の成長物語だけでなく、チアキの成長物語もこのエピソードでは語られているように感じる。
それは今後のストーリーにも繋がっていく。
チート能力全開とはいえ、さすがに女子高校生、ギリギリ限界点で頑張って動き回るヨット部メンバー達。
それを裏で必死にサポートする大人な弁天丸クルー達+保険会社エージェントのショウ。(そりゃ自分の職場がかかってるからね)
同じ出来事を二元的に眺める面白さもある第5巻である。
あ、ジェニーとリンのウフフな関係はオマケで楽しみましょう。(笑)