塩野七生氏の著作の一つである「サイレント・マイノリティ」という言葉が、本書を読んでいる間に何度も頭に浮かんだ。主人公の母トメのように気丈かつ声高に彼を擁護する人物も登場するが、妻子は生活を必死に維持することで彼を支え、逃亡を助ける元同僚の多くは自らが犯した「罪」をどう理解すべきか苦しみながら、決して声を上げることはない。それは、戦中の軍隊組織や戦後の反論が許されない世情に表される、常に現実から逃避していた当時の日本社会によって沈黙せざるを得なかった人々の姿である。
レビューの
タイトルは、本書の終盤で主人公が戦犯とはいかなる存在か、あるいは自分が犯したとされる罪状の根源を振り返る場面の一文である。巣鴨の独房でこの結論に至った人物が本当にいたかもしれな!い。だとすると、終戦から半世紀以上を経た現在でもこの文章で表せる社会とは、一体何を成し遂げたと胸を張って言えるのだろうか。
お馬鹿と言われ続けた上地雄輔さんですが、このドラマでの彼の変化に驚きました。
完全に
弁護士役に、成りきっていました
最終回、逃亡する前の映像が流れましたが、苦労して逃亡してきた様子が、顔や身体に出ていました
また、法廷のシーンでは、彼の熱弁に涙しました
素晴らしい役者さんに成りましたね
私は、ヘキサゴンからしか、彼を知らなかったけど、もう11年も役者をやってると聞いて、長く下済みを
経験して、今の地位に上り詰めたのだと、思いました
来年は、すでに映画を2本取ってるようですね
期待していますよ
「逃亡
弁護士」続編、見れないのでしょうか?
精神病院から逃げ出してきたふたりの男女が繰り広げる、幻想的なロードムーヴィー。ホンそのものは、ふたりが逃げているのに誰も追いかける気配がないとか(笑)、奇想天外というか、まあ変わった作品ではある。本作の魅力は、やはり主演のふたりに尽きるだろう。美波の不安定な表情と演技は、純粋に「凄いなあ」と思うし、
吉沢悠はさすがに邦画
メジャー俳優だけあり、抜群の安定感で映画を引っ張る。恋愛映画でもあるのだが、全くそれらしいシーンがない(誘惑はあるけど)のもなんか微笑ましい。ワーナーブラザーズ日本は何を持って本作を見出したのかは定かではないが、本当にBの匂い満載の作品で、これはこれでいいかな、と楽しく観れる佳作となっている。ただし、予算的な問題はあろうが、撮影が「綺麗」ではないのが残念。せっかくの海や青空がほとんど活かされていないのだ。例えばこういうBノリの作品も大好きだった篠田昇が本作を手がけたら、本当に凄い絵を作ったのではないか。俳優も大事だが、背景も大きな要素を持つので、ここはもう少ししっかりと撮ってほしかった。ちょっと毛色は違うけれど「クワイエットルームへようこそ」が気に入った人は、本作も気に入るかな、という感じ。
ジャケットから明るめの内容を期待すると裏切られるので、沈んでいるときに観るのはお勧めしません(笑)。