追体験派にとって始めてみる中山ラビさんに深い感銘を受けました。全盛期の頃と変わらない歌声、ダイナミクスのあるコードストローク、無意識的に奏でる3フィンガー、曲間のMCに於ける聰明さ。時に幼くも見え、しかし一点たりとも女々しくなく、媚ることのない硬派なラビさんが最高に格好よく、最高に素敵です。音楽家を志す者にとって人生を捧げたくなる存在です。
音楽ってさあ、結局、それを聴いた個人が気持ちよがるだけなんだよね。
マーラーの五番の第4楽章、
モーツァルトのピアノソナタ第一楽章の第4変奏曲。
素晴らしく気持ちいいが、それがどうした、と言われたら、どう答えればいいんだろう。
人間の、個人の、気持ちよさなんて、体の一部のXXをなめられたら、
ヒーヒー、気持ちよがるじゃないですか。
音楽の気持ちよさは、それとどう違うんですか?
ここに何かがある。
今まで誰も知らなかった、「音楽」がある。
人類200万年の歴史の、すべての喜びとか悲しみとか、
そんなものをすべてぶっ潰すような、ワケのわからない何かがここにある。