確かにこれはただの
ジャズの人がやったロック歌謡集だな。ハープシコードなんて楽器使ったり、涙ぐましいが、そんなことでポップ感覚を出す作業なんて当時はMJQでもやっていたぐらいだから別に珍しくはない。
このアルバムが重要なのは、ここからキーボードのマイク・ノックが巣立ったことだろう。彼がその後、結成する「ザ・フォース・ウェイ」というバンドが当時、
ジャズ・ロックの最良の部分を体現することになるのだが、なぜかこのバンド、ほぼ全作品が未CD化のままだ。そんなにマイナーだったかね?TBSの深夜の映画番組の主題曲として散々使っていたけどな。
マーカスのサックスが本当に凄みを増すのは70年代に入ってから。CDは既に廃盤になってしまっているようだが、コリエルの「オファリング」というアルバムを聴いてみるとよい。ゾクゾクとする8ビート(時に細分化されるので聴いた感じは16ビートだ)ファンキー・フレーズの洪水で、これぞ、今でもロック・インプロバイズド・サックスの頂点だと思う。