第一話の悪徳リフォーム会社社長の逮捕をみて、今はやりの「ブラック企業叩き」ドラマと捉えた人もいるだろう。また、不正を許さず一端決めたら停まらないダン
ダリン=段田凜に感化され、次第にダンダ化する西東京労基署の面々をみて、「公務員改造」ドラマと感じた人もいるだろう。
前の部署で「何かやらかして急に飛ばされた」凜と関係者の命運を描いたミステリーという見方もある。最初に出てくる西東京労基署員の「遺品の整理」(最後に衝撃の事実がわかる) が、「謎」を深める。
このドラマの制作陣が偉かったのは、凜を徹底的にブラックに、言い換えると「毒を制するには毒を使う」ような描写にはしなかったこと。凜は決してスーパーウーマンではなく、どこか心に傷をもっている。しかし、早くから知らされているのは視聴者のみ。
凜の命運、凜の過去とのしがらみを縦糸に、一話完結のエピソードを横糸に、ドラマは突き進む。一見完璧だが実は挫折に弱い「指導係」の南三条、最初は凜を毛嫌いするが、しだいにダンダ化する土手山課長の変化の描き方も巧い。だめだめ公務員の代表格、真鍋所長も意外な一面をみせる。
第一話だけみて、あまりにお馬鹿な描写にチャンネルを変えた人も多いと思う。最後までみればこのドラマの値打ちがわかる。