地下鉄ハイジャックを描いた'70年代犯罪アクション映画の傑作『サブウェイ・パニック』のサントラ盤。
ただ疾走するのではなく、力強く前進し刻むリズム、時に音程を乱すメロディや信号機のような音をはさみ、終始硬派で緊張感のあるメイン・
タイトルが素晴らしい。
その緊張感とリズムは、全曲に一貫していて、よくあるサントラ盤のような愛のテーマや、つかの間の休息とかの「総花的な曲のならび」にはなっていない、
タイトな仕上がりもまた良いです。
エンド
タイトルでのみ、後半で初めて安らぎのフレーズが顔を出しますが、その展開は、同時期の「エアポート'75のテーマ」を思い起こさせます。
~コッポラの「カンバセーション盗聴」や「大統領の陰謀」等、渋めの映画音楽家っぽいイメージのデヴィッド・シャイアの派手派手なサントラ。ビッグ・バンド・
ジャズ・サウンド(
ジャズ・ロック・テイストもあり)で、都会派アクション/サスペンス音楽を奇数拍子を交えてブチかましてます。12音階的なメロディーとノリの良いビート、凝ったアレンジ、ジェリー・ゴー~~ルドスミスの得意なパターンでもありますが、彼に匹敵する格好良さを持った音楽だと思います。疑う方は、まず映画を見てみてください。映画ももちろん傑作ですから。~
掛け値なしで面白い!デビット・シャイアの軽快なテーマに乗って、ハイジャック犯達が、ひとりまたひとりと、地下鉄に乗り込んでくる導入部から、グングン引きこまれる。オーウェンズ・ロエズマンのザラザラしたドキュメンタリー
タッチのカメラが素晴らしい。主役二人のやり取りは勿論、世評を気にしてばかりの
ニューヨーク市長、カリカチュア化された日本人視察団、ハイジャックされた地下鉄乗客の様々な反応、そして、マーチン・バルサムのくしゃみ等、ユーモアの中にもシニカルな部分が多く、思わず唸らされる。ウォルター・マッソーは、喜劇から悪役までこなす芸域が広い名優だが、ボクにとっては、この映画と、その前後に公開された「突破口」と「がんばれ!ベアーズ」が、ベスト3だ。監督のジョセフ・サージェントが、この後テレビの世界に戻ってしまったのは残念。彼の傑作「地球爆破作戦」の早期DVD化を望む。
話には聞いていたが今まで見ていなかった。リメイクの「サブウェイ123」の方を見てからこちらを見てみるという極めてイレギュラーな見方になりました。リメイク版もなかなか面白いと評価したのですが、これを見た後ならはっきり言って「リメイクは駄作」ということになります。まずロバート・ショーは普通は「ジョーズ」のというところでしょうが通の私には「
ロシアより愛を込めて」のローバート・ショーであります。渋いですね。いい味出してます。こういう役はピッタシです。最後も彼らしい雰囲気と共に。最後という意味ではこの映画の最後の終わり方は圧巻です。ここのシーンだけ知っている人も多く、ウォルター・マッソーは意外とこのシーンで有名かもしれません。実に印象深い。それと日本の地下鉄会社のサラリーマンの4人が出てきますが、当時の日本人に対するアメリカの一般的な気持ちがそのまま表れていたのかどうかは分かりませんが実に摩訶不思議な人種として表現されてます。変な4人組で面白いですけれど・・・。今もあんまり変わらないかも??