「この作品が日本推理作家協会賞?」、特に中盤にかけて様々な部分で粗が目立ち始めました。しかし、そこでふと気付いたんです。「俺は今までかなりの本を読んできた。大賞作品の粗を見つけられる程に読み手としてのレベルがアップしてしまったのではないか…」。見事に勘違いでした。ラストの展開で私が感じていた粗は一つ一つ覆されていき、さながらオセロで逆転負けを喰らったような感覚を味わいました。
ある者は娘を、ある者は妻を、ある者は親を悲惨で形で失ったケチな詐欺達の「ONCE AGAIN」の物語です。序盤でメインキャラクター達が背負った重い過去が明らかにされていく場面は秀逸で「何でも良いからこいつ等には幸せになって欲しい」と思わずにいられませんでした。
残念だった点は、サブキャラクターのせいで物語の魅力が半減してしまったことです。彼(彼女)達のせいでメインキャラクターの背負った過去の重みが損なわれたり、話が冗長的になったりと負の効果しか感じませんでした。物語の構造上どうしても中盤の推進力が弱くなり、読者の興味が削がれていく中で、余計なエピソードでページを増やしてしまったのは完全にマイナスでした。話自体を
タイトにするか、メインキャラクターを掘り下げるかしたら、確実に★★★★は付けられた作品でした。
期待が大き過ぎて、大きいほど実際とは低めの評価になってしまう……。ネタバレになるので、詳しくは書けないけど、どうしても理解出来ない"肝腎な物語の核"になる事象がある。それは当事者でないと分からない……としているのだが、どうでしょう。その点さえクリアになれば文句無しの5点評価。いや貘そのものを表しているのならそれも計算されたものか……。全体としては古典ミステリの系譜に属すると言える。うーん、他の方の評価がとても気になる。誰かレビューして。
情景描写はよく清々しい青空や風の涼しさ、水の透明感、幼い頃の懐かしい開放感なんかを感じることはできたが、人物に魅力が乏しく感情移入できなかった。話の展開も別段驚かせるものがなく…読ませる話としてはスケールが小さい。主要人物6人の内一人でもぐっと際立つ魅力があれば良かったかなと思う。
阿部寛が主演の詐欺師のストーリー。
途中はだららんと話が進んでいくのですが、クライマックスはなんか緊張しました。
そして終わったと思ったエンディングで衝撃のラスト!
是非、前情報無しで観てほしいです。騙されたけどなんだか癒される映画でした。