日本人の特有の価値観について、一般的
フランス人との考え方の違いを述べている。 その内容は、外国人でなければ気がつかない、はっとさせられる鋭い指摘だ。 とても納得できるし、日本という国が低迷している根本原因が分かるようで、有り難いと思う反面、悔しい気持ちにもなった。 一度は読んで損はないだろう。 それにしても、フランソワ・デュボワ氏をこの本で知ったが、プロの音楽家をはじめ多数の肩書きがあるようだ。 色々おっしゃることはごもっともだが、本書では後半以降文章が雑になり、ものの考え方が浅くなっているように感じた。 例えば「10年先の読めない未来よりも今が大切」や、繰り返し記されている「中国で3ヶ月間の武道の修業が役に立ったのだ」等。 よく考えてもらいたい。3年ならいざ知らず、たかが3ヶ月の修業で人生論を語れるものだろうか? 確かに未来は分からないが、色々予想することは非常に大切なことだ。特に今の日本では20年30年先までイメージしなければならない時代だと思う。 沢山の肩書きはご立派ですが、こういう何でも屋さんによくある「浅薄」「すべてに於て広く浅い」のでは?と思わざるを得ない。 若年者向きの書ではないか。