『PV+少しのオマケ映像』だと思って買いましたが違いました!
PVはもちろん、とにかくLIVE映像が多い!
しかもPVメイキングもあってRIPファンにはたまりません。
個人的にはクラブで歌ってるところと、楽園ベイベーでSUサンがPESのパー
トを歌う(LIVEで)のがツボです☆
初めから通して見ると100分越えるし見ごたえ
アリ♪
暗闇の中、異様にカラフルなヘリコプターが飛ぶ、美しく迫力あるオープニング。
(「メドフライ」という害虫駆除殺虫剤の空中散布だというのですが…)
何組かの家族の「エピソード」が平行して映し出され、やがて…少しづつ重なり合い、絡み合い、徐々に全体像が(「シグソーパズル+浮き彫り」のような感じで)浮かび上がって来ます。(最初、少々集中力を要しますが、形が見え始めると引き込まれ、とても面白い。)
どの家族もどの家族も、なにかちぐはぐで落ち着かない。
そんな危うさが観ている側に不安感を与えます。
目の前に映し出される、「歪み」や「ずれ」が自分にも突きつけられ、心がヒリヒリする。
そんなキツさのある映画です。
しかも…「途中で逃げ出すことを許さない(!)」強い求引力が作品にあるのです…。
特筆すべきは…大人数での、複数の平行する「エピソード」を、飽きさせることなく見せる演出力と俳優陣の演技力!
突き放したような、冷徹で容赦ない人間描写がとても印象的。(どの登場人物もタガがはずれている…)
容赦ない・・・でも「非難」しているのでもない。人間とはこういう部分を持ったもの。
「逃れられないのだよ! すべて含めて人間なのだよ!」
そんなアルトマンの声が聞こえて来る気がします。
劇中、なんどもなんどもライブシーンなどに登場し、強く印象づけられる、
ジャズシンガーの母親(アニー・ロス)と、チェリストの娘(ロリ・シンガー)。
母親のヴォーカル、娘の
チェロ演奏により、くり返し流れるテーマ曲が、複数のエピソードをまとめあげ物語を織りなすための、強力な手助けをしています。
「人生の囚われ人〜♪」・・・作品全体を象徴するかのような歌詞…。アニー・ロスのヴォーカルは、エンディングで再びダメを押すかのように流れます…。(ところでいったい「メドフライ」って…?)
★このレビューは、かなり前に書いたものです。再見したら、またちがった感想が書けるかな、と思いつつ(ほんのちょっとの手直しで)そのままup…。『ショート・カッツ』は、『ウエディング』に続いて観たアルトマン作品ですが、画面の中に音源のある音楽の使い方(ライブシーンなど)がとても印象的でした。このあと、何作かアルトマンを観ましたが、どの作品も音楽がイイですね!『三人の女』『イメージズ』は、無調音楽やパーカッションが印象的。私は、『ロング・グッドバイ』の音楽(テーマ曲)が大好きです!もうすぐ、『カンザスシティ』を観る予定。この映画は
ジャズ演奏がすごいとのことなので楽しみです(ニコニコ)。『カンザスシティ』は、『
ジャズの歴史』(
新潮新書)という本で紹介されていました。★
久々にレイ・カーヴァーの村上春樹訳を読み返していたら、無性に本作をもう一度観てみたくなった。
随分前に一度観たきりで、断片的な記憶しかないが、20人以上いる登場人物の中で
恐らく端役の部類だったと思われる自殺を図る
チェロ奏者の女が妙に印象に残っている。
本作を監督したアルトマン氏も先月亡くなったということだ。
この機会に是非DVD化を希望。