[7]は“みんなの歌”用に80年代に作られたと思われる
バイオリンのリードが印象的な新録バージョンですが、他はFORLIFE時代のアルバムからです。([14]がシングルバージョンで無いのが残念!)冒頭に『目撃者(81)』からのロックンロールを持ってくるなど、“フォーク”だけではない幅広さを展開した選曲です。でも『目撃者』も『TV-Music』もCD化された今では、それほど貴重ではなくなりましたけど…
ディスク3収録の「かげろうの唄」は1970年頃フジテレビ系で放映されたドラマ「丹下左膳」の主題歌でした。監督市川昆、主演高橋幸治のちょっとオフビートな時代劇で、78年ごろに地方局で再放映された際に見て強烈な印象を受けました。特にこの主題歌の歌詞なんか、哲学性ではかまやつひろしの「やつらの足音の
バラード」といい勝負です。
「ちょんまげ天国」とかの時代劇ドラマ主題歌コンピレーションの選にも当然(?)漏れていてちょっとくやしかったのですが、ライヴバージョンとはいえ、この曲を聴くことができるのかと思うと、発売日が待ち遠しいです。テレビ主題歌バージョンもいつの日にかCD化されることを願っております。
これが初の単品CD化ってのがどうにも納得できないくらい、小室さんのアルバム中 No1の名盤。私にとって小室さんの代表曲は「ラブソング」「橋」「一日の終りには」「東京」であって、“雨空”はレパートリーの一曲にすぎないのです。
アレンジ・演奏も、
タイトでツボを押さえたバンドをバックに、ロックとフォークとポップスのシブ〜い要素のグラディエーション。でも前作“月に…”のようなあれもこれもと散らかった感じでなく、アルバム全編で描く統一感も良いのです。
それから今回の再発シリーズ、音も良いです。かつてBOXの一枚で発売したものより音圧が増し低域も厚く“5メートル近づいて”聴こえてきます。最近のリマスターの「かつて聴いていたオリジナルLPの音に近づける」傾向がやはり一番いいですね。