ハナエさんの存在は知っていて、「神様はじめました」、「恋は神聖
ローマ」、「変幻ジーザス」辺りを気に入って何度もリピートしていました。今回それらの曲も含まれたアルバムを通して聴いてみて、「そうそう、やっぱりこの感じ!」と頷かずには居られませんでした。真部さんの描く世界観が大好きで、ずっとアルバム発売が楽しみでしたが、やっぱり裏切らないなあと思いました。
神様、ジーザスが
タイトルに入っているのに曲調はマイナーと
メジャーである意味両極の#1と#5。
妖怪退治、カノッサの屈辱と時代を感じさせるキーワードの含まれた#5と#6。#3の挑戦的な楽曲構成も面白いです。これから先の可能性を感じます。ラストナンバーは80'sのポップスのようなイントロから始まるのに、ハナエさんの歌声が入ると不思議と近代的に聴こえて来ます。これだけ色々な要素がアルバムに詰め込まれているのに、アルバムを通して聴いてもたったと33分で、「えっ、もう終わっちゃったの!?」と驚いてしまいました。それぞれの楽曲は決して長くなく、寧ろだらだらと長引かずにさらっと終わってくれるので、聴き手側も飽きません。何度もリピート出来ます。
ハナエさんの歌い分けもとても良かったです。どれを聴いても彼女の声だとわかるけれども、アンニュイから可愛いめ、大人っぽかったり、きっとしてかっこ良かったり、しっとりと
バラードに合わせて来たり、楽曲によっての繊細な歌い分けが楽しめました。
相対性理論の新譜「TOWN AGE」を聴いて、真部さん、西浦さんの脱退によるサウンドや演奏力の変化に落胆してた分、このアルバムを聴いてかなり救われるような気持ちになりました。勿論バンドではないのでアプローチの仕方は違います。ですが、やはり彼の作り出す楽曲はハナエさんの持つ唯一無二の雰囲気を十二分に引き出していて素晴らしいの一言です。