キャリアと恋愛を両立させ、気ままな日々を送るチョンワン。
一生楽に過ごせそうな、無難な男を見つけて結婚したヒス。
ふたりは親友だけど、お互いに相手より自分の方がましな暮らしを送っているという自負が見え隠れして、
三十路女のちょっと複雑な心境が伺える。
原作が日本の小説だから、どっぷり韓流の濃い味付けは期待できない。
海外養子のマルコのエピソードだけが韓国らしいかな?
日本人には違和感があるけれど。
やむを得ず、一時宅配企業に就職したヒスのKYぶりがおもしろかった。
総じてヒスを演じたイ・テランさんがよかった。
イ・ミヨンさんはイマイチかな。
女は男に従っていて当たり前、俺は今までお前らを養ってきた、などと考えている男にとって、女はこんなことを考えているのかということを痛感させられた。「バス・ストップ」では浮気する亭主に料理、洗濯、掃除と最高のもてなしをする妻、それに慣れされたところで突然離婚を切り出し男も同意するが、新しい妻は料理、洗濯、掃除ともにできず、離婚した妻の復讐と考えるとぞっとしてしまった。また、「終の季節」では、夫が仕事をくびになると同時に離婚を迫るという話だったが、ここまで妻、娘に相手にされない男がいると考えるとひどく悲しくなってしまった。いろんな話があり、どれもおもしろく読めたが、どれも結末が容易に想像できてしまったためちょっと残念だった。
主人公の粧子と入江の愛は、世間から見れば不倫かも知れない。しかし、粧子が、入江を愛する時が持てたのだから、それでいいのではないかと思う。 最後は、入江の妻、美帆と対決し、粧子が身を引くが、私は、粧子の様な女性に会ってみたいし、粧子に、入江が感じたと同じ愛を感ずる。それほど魅力的に粧子を感じてまう。これは、唯川恵さんの、大多数の(別のジャンルもあるようだが)小説の主人公に感ずると同じだ。何かハッピーは気持ちにさせてくれる。
結婚についての思いが、色々な立場の人から語られている。
結婚してすぐに専業主婦になった人。
不倫をしている人。
合コンに精を出し念願叶って目標の27歳で結婚を決めた人。
離婚して、仕事に生き甲斐を見出している人。
ずっと独身を通してきたキャリアウーマン。
それぞれの立場ゆえの複雑な思いが、
要所要所のセリフに散りばめられている。
そのどれもが、自分がその立場であったらと考えた時に
納得出来るものである事がわかる。
友章という男性が出てくる。
主人公の美月も恵利子も、彼の優しさとアプローチに
徐々に気持ちが傾き、彼との将来を一瞬頭に描いたりする。
彼は優しいし思いやりもあるし、
それは決して見せかけだけのものではない。
人を安心させる雰囲気も持っているし性格も良い。
困った時には的確な助言もしてくれる。
しかし、まだ今はいいと思っているのか
元々がそうなのかわからないが、
要するに彼は、悪い人ではないのだが
『そういう人ではなかった』という事である。
彼みたいな人を『そういう人ではない』と見分ける事は、
女にとって永遠の課題なのかもしれない。
恋愛主題で成功したドラマはそうそうないと思います。『恋愛偏差値』は、1章4話という適度な長さだからこそ成しえた、純粋な恋愛ドラマです。きっと一つの恋愛模様を取り上げて12話もやったら、内容は膨らまず、グタグタになり、中弛みするでしょう。しかし、このドラマにはメリハリがあって、どの章も飽きさせない魅力があります。それはドラマの構造の点だけではありません。中谷美紀さん、常盤貴子さん、財前直見さん、柴咲コウさんが素敵な演技で魅せてくれて、かつ、4人には(誰かには)共感出来るという事です。感じる事はもちろん人それぞれですが、私は自分が自分でいられる恋愛、自分らしく生きる道を考えさせられました。社会や周りの環境に染まってしまっている時、自分の生活に疑問を抱いた時には、伝わってくるものも大きいと思います。安っぽい言葉に聞こえてしまうかもしれませんが、本当に勇気を貰えます。
恋愛ドラマに対しては苦手意識が強かったですが、これは心底ハマりました。
長くなってしまい申し訳ありません(笑)
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