二人の特長が足し算を超えて掛け算になるのが理想であるのはいうまでもありません。
残念ながら、甘く見ても、そのような効果が出たのは「ぐでんぐでん」1曲だけのように感じました。
だからといって、これが買う価値のないものかといえばそうではないと思います。
「女の物書きで頭が良いのは富岡多惠子だけだ。」と言ったのはつかこうへいだったように記憶しています。
その富岡には単純な懐古趣味に堕した懐メロ批判の一文もありますが、憂歌団の「石狩挽歌」には遠く及ばないものの、このアルバムでも全ての曲に多少なりとも「現在」の視点が反映されています。
定価で買ってしまうと、今イチという感は否めないでしょうが、ネットオークション等で2千円未満で購入するのは難しくないと思われ、そうすれば、この二人に関心のある人にとっては十分満足のできるお買い物となるでしょう。
自分としては全く興味がなく、親に録音してあげたのを何気なく聞いていたら、何と懐かしい子供の頃から耳にしている曲ばかり、お婆ちゃんが唄っていた曲などがあって、思わずホロリ。特に意識していなくても、日本人なら必ず心の中に自然に染み込んでいるので、懐かしさ、お祭りの雰囲気などで、胸の中がフワーっと暖かくなり、リラックスし、感動すること間違いなし。
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