「酒と料理の旨い店」が紹介してある。
但し、「ここ一番に接待に使いたい」「ふらりと寄りたい」
「この為に予定を捩じ曲げてでも」「薀蓄野郎など寄ってこれない」
「ふらり小旅行の目的地に」「昼下がりにまったりと」
という、色々な意味での「男の」居場所である。
勿論、お酒が呑めない御仁でもしっかり楽しめる所ばかりである。
但し、「大人である」事を体現できる人に行って欲しいが。
しかしながら、酒と肴の描写が独特だなあと思って読んでいると
「思わず股間を押さえたくなるような官能」のくだりを読んで膝を打った。
そう、「エロい」のだ。食べ物呑み物の評論でこの様に官能的に表すのは
今迄お目に掛かった事がない。五感に訴えるだけでなく、人の(特に男の)持つ
「欲」に直接訴える文章は妖しくも著者が恍惚に至る過程をつぶさに記している。
これに比べれば、ミシュランなどは「ここの店主は○○から直接手に入れた…。」
という様にさもありがたい御託がちりばめられているらしいが、
「どうせ一般人は行けないだろうから…」的なテイストが漂う嫌味な本でしかない。
男であれば読むべし。呑むべし。食うべし。語るべし。の一冊である。
僕はこの本大好きです。 文体は勢いがあるとも乱暴とも言える感じで、酔える。 そこんとこは人によって印象が異なるだろうけど(ドライヴ感ってやつか・でなきゃ嫌悪感だね)、内容はけっこうマジで、ずっしりと胸に来るものがある。文体がどうあれ、あるいは文体の効果のおかげなのか、登場人物たちの痛いくらいナマナマしい感情とか想いとか願いはちゃんとコトバに乗って読者に届いてると思う。 僕は特に『バット男』に感じるものがあった。 どうしようもなくこんがらがって、誰もそこから抜け出せなくなってるゆがんだシステムの存在。それが自分や自分が大事に思ってる人を苦しめてる現実。小さな邪悪さとか愚かさが組み合わさって巨大な災厄になってる現状。それらに対する嘆きの感情は、やっぱり、苦しい。 この苦しさの感覚はたぶん文化や時代に関係なく人類が共通して持てるものだと思う。なのに、なんでそういう「災厄のシステム」は一向になくならないのだろう?人間の知恵では人間自身の歪みは取り除けないのかなあ。ちっくしょう、哀しいなあもう。 などというようなことを、読みながらいろいろと考えてしまうのでした。 こういうの、感動したって言うんですよね? 自分の中でも文体に賛否両論あるだけに、この感動は結構「にくい」。 悔しいけど、ヘイヘイ、マイジョウの兄貴、やるやん?すげえやん?て感じ(かンなり影響うけとるなコレ)。 それは『熊の場所』でも『ピコーン!』でも同じ(もちろん伝わってくるモノ≒テーマはそれぞれ違うけど)。 とにかく、小説の持つすごいパワーはばっちり感じられる一冊だと思う。
小学校の鼓笛隊にも「のど自慢」にも出てくる、あのアコーディオンもこの人にかかればこんなに綺麗に歌うとは! Cobaのアコーディオンは話し好き。この一枚で存分にいろいろと聴かせてくれる。テレビで耳にした曲も含まれており、「あぁ、この曲もcoba?」と思うものも少なくない。cobaを聴いたことのない人には特にお勧め。
|