「タンホイザー序曲」で垣間見せる凄まじい気迫は、「スラッガー」達がただ大音響を鳴らすのとは次元が異なっている。一体何がこの男をそこまで駆り立てるのかと考えさせられ、耳ではなく心を打たれるだろう。上っ面な興奮ではなく深い感銘を与えられるだろう。紆余曲折を経て来た還暦に近いピアニストが、このコンサートに賭ける意気込みは並大抵のものでなかったと思われる。
ホロヴィッツが鐘の鳴り亙るような音だったとすれば、差し詰めボレは星の降り注ぐような音だったと言えよう。ある時は金剛の如く強靭、ある時は羽毛の如く繊細。編曲物のようにどんなに音数が多い曲であっても、彼は絡み合う複雑な旋律を、まるで別々の演奏者が別々の楽器を担当しているかのように、同時に弾き分けることができたのである。まるでオーケストラの響きがピアノにそのまま乗り移ったかのようなこうした芸当ができた人は、今も昔も殆ど居ないように思う。
ラフマニノフを敬愛していた彼による「愛の悲しみ」は、懐の深い叙情に充ちている。その心情が聴く者達の眼にも浮かぶようである。
ピアノの破壊魔であるとともにピアノの神様、「リスト」のピアノの代表曲ばかりを集めたアルバム。
名曲、「愛の夢」第三番が目的で買いましたが、他の曲もなかなか素晴らしかったです。
「ピアノだけでこんな音も出るんかい!」と思うところも沢山ありました。
良いアルバムです。
一つ言うとしたら、私はリストの「顔」が好きなんで、ジャケの肖像画はもっとデカくしてほしかった…
リスト入門用に丁度よいかと思います。
良くまとまった感じではないだろか? 基本的な演奏解釈は。 巧くまとまっている。しかし、もう少し何かが欲しいと言ったところだろうか? 少し物足りない感じがする。 最後のリストの直系の弟子のボレット。やはり年には勝てぬと言った感じもする。 リストは巧くまとめているが、ショパンに関してはやや疑問。 技巧的な演奏をしているが、現在もっと技巧的なピアニストが多く存在する現実。やや不足さが隠せない。 リストの表現解釈に重点を置いて聴いてください。これは勉強になります。
クラッシックが大好きという私と同じ方には、聴き入るほどではなくBGMとして流すには良い作品です。今、いろいろなクラッシックベストが出ていますが、その中で初心者にはこのアルバムはいい?と思いました。だから、友達からラフマニノフが聴きたいと言われ、突然ラフマニノフの世界へ入るのには…寝られても困ると思い、オムニバスCDを探しました。そこで、知っている曲がほとんどでラフマニノフもショートカットしていないこのCDをプレゼントし、自分も買いました。癒しのクラッシックとしてはお勧めできます。
ボレットのリストはどれも美しいのですが、その中でも有名曲が一番多く集まったのがこのCDでしょう。 個々の曲でいくと、メフィストワルツ1番、ボレット唯一のハンガリー狂詩曲である12番、エステ荘の噴水などが特に綺麗なのですが、他の曲も、とても美しく響いています。リストを聴き始めの頃に聞いておきたい2枚組。
|