最初の曲の最初の音を聴いただけで
ただごとではないものに接しているという緊張感を覚える
ストルツマンのクラリネットの音は、
内省的で、聖書の詩篇の一節にでも
耳を傾けているような気になる
選曲は、モーツァルトの晩年の傑作「クラリネット協奏曲の第2楽章」
もあれば、映画音楽もあるし、ポピュラーソングもある
バックのアレンジは原曲に忠実だけど、
どれを聴いても、
しーんと心に響いてくる彼の音色に包み込まれていく
『古楽の旗手たち』という本に彼のインタビューが掲載されている。
「私は小さい時から、クラリネットらしい音というものが
好きではありませんでした。
様々な人の、歌手の、人間の声が好きだったのです。
クラリネットで素晴らしいのは、
音が空気の中から出てくることです。
コンサートで演奏する時、どんな弱音でも
ホールの最後尾に座っている人に
きちんと届くようにコントロールしています」
などなど、彼の演奏が独特の楽器のくわえ方、
呼吸の仕方に支えられていること等が
具体的に話されていて参考になる
変人といわれる小泉さんの選曲に興味をそそられて購入しました。映画音楽界での変人と言われるモリコーネですが、まさに感動の選曲でした。音楽の興味の薄い祖母すら涙を流して聞き入っていました。
ずいぶん昔に見た作品ですが、テーマソングと共に忘れがたい映画です。
ギャングかモチーフなのでバイオレンス基調ですが、成功とその影、友情、愛、政治など、人生そのものを深く考えさせられる深みを持っています。
時代描写も素晴らしく、綺麗ではないが、詩的とも言える映像美を感じます。
人生の機微が分かりかけてきた大人に、是非見て頂きたい作品です。
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカは、イタリア人の映画監督セルジオ・レオーネが20世紀というアメリカの世紀をノスタルジックに描いた作品でした。ロバート・デ・ニーロが出演し、公開当事は随分話題になりました。20世紀初頭から60年代くらいまでの長い期間を描き、ストリート・チルドレンが仲間と共にのし上ってゆく姿を通してアメリカという国のダイナミズムと矛盾を描いたのではないか、などと感じ入った次第です。この映画の音楽を同じイタリアのエンニオ・モリコーネが担当しています。ノスタルジックなニューヨークのシーン、オーケストレイションされたアマポーラなど音楽だけを聞いていても素晴らしさが伝わってきます。夢と欲望を併せ持ったアメリカにぴったりな音楽です。この作品の中から、TVでも良く使われる曲が何曲かあります。最早スタンダードと言えるかもしれません。映画をご覧になって音楽を聞かれると一段と味わいが深くなると思います。
NHKの桂離宮の特集で、カメラが船で池から離宮の建物に近づいていく場面で
バックに流れていたのがこのCDに入っている"Italia"という曲でした。
その時は誰が演奏しているのかも全くわからず、ネットで調べて
このCDに入っていると知り、購入。
ボチェッリの声とクリスのトランペットが素晴らしいハーモニーで
あの桂離宮のシンプルで凛とした風景にとってもマッチしていました。
一流のもの同士って、合うんですね。
それ以来クリスもボチェッリも大好きなアーティストになりました。
他の曲も素敵です。
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