堀下さゆりが手がけるフルアルバムとしては、実に5年ぶりとなる。 しかし純粋なオリジナルではなく、福島県相双地区の22校の子ども達の為に書き下ろされた楽曲を、 その子どもたちの演奏・合唱で収録した震災復興支援盤。 途中には堀下が書いていない楽曲や、そもそも歌ですらないトラックも収録されている。 「はい、はい。いわゆる『チャリティー』という奴ですね」と片付けてしまうことは、できるかもしれない。 少なからずの方が、そもそも堀下さんが歌っていないんじゃあ、あまりなぁ……、と思われるだろう。
……ところが、だ! これが想像を絶する“本気っぷり”の作品なのだ!
傑作『カゼノトオリミチ』の次にリリースされた、現行最後となるフルアルバムの『シロツメクサ咲いた夏』は、 全体のアレンジがやや打ち込み重視の、ゴリゴリとしたJ-POP寄りの作品であった。 しかし今作は、待望の生音重視! 「子どもたち」が歌うことを前提に書き下ろされたからこその、 堀下さゆりの最も強みである、かわいらしくも切ないポップさとシンプルさが前面に押し出された作品群が並ぶ。 その愛らしさときたら!! そしてそれを力強く鳴らす、子どもたちの合唱が、演奏が、本当に素晴らしい! 実質堀下がヴォーカルをとる作品は半分以下なのだが、ここまで素晴らしいと、まったく気にならない。 むしろ、これによって楽曲の説得力が大きく増している、と言っても過言ではないだろう。 ピュアで、純粋で、傷ついても前へ進もうとする歌たちを、子どもたちが声をあわせて歌う。 それを支える、「拙い」というよりは上手いものの、スタジオ・ミュージシャンとはやはり違うトラックたち。 しかしそれが、それこそが涙を誘うのだ。ちくしょう。こっちが勇気を貰ってしまう! 歌詞カード1ページごとに一人も漏らさずに書き連ねられている参加者のリストは圧巻で、 アルバム全体では、実に1307人もの子ども達が参加している。
途中には高校野球部の応援歌が入ったり、地元の太鼓の生演奏が入ったりしているのだが、 これもまた実にうまくアルバム全体の世界観を作り上げている。 これなのだよ、この日常に接した世界観……。これが堀下さゆりなのだ、と思い出させられた。 ヴォーカルとして参加していないにもかかわらず、5年の歳月を経て、 紛れもなくパワーアップして舞い戻った、彼女の姿がそこにはくっきり現れているのだ。
コラボレーションだ、震災支援だ、などという色眼鏡はひとまず外してしまおう。 これは、1307人以上の「おともだち」達の強力なバックアップの元に作り上げられた、 紛れもない2012年最初の名盤……、堀下さゆりの華麗なるカムバック作だ!
渋谷Duoで行われたライブ模様をDVDにした物。 実際、自分もライブに行かせて頂いたのですが、まず生の方が やはり迫力が違う! 生音はやはりいいなぁ。と思わせるライブでした。 則包桜さんもパーカッションで参加されてたり、堀下さゆりさんの 実妹もコーラスで参加されてたりします。 カゼノトオリミチや君と笑ったも入ってるので好きな方も是非オススメ 個人的にはprivateroom-Capricon versionを聴けたので満足です。 あと新曲の愛のうたも入ってます。と思う。
不思議なアルバムだ。Lily Pop Life というアルバムの名前、少女趣味のイラスト。 重厚な本格さと無縁の「オフ」のイメージが前面に出される。 曲調や彼女の声質も「オフ」のイメージに合っている。 でも、全体に不思議な緊張感が漂う。これはあなどれない。 ひとつには、彼女の天才的ともいえるリズム感の正確さがある。 ピアノ伴奏とボーカルがお互いにじゃれあうように、一体感をもって 心地よく滑らかに流れる。Disc1 2曲目の「夏の街」を聞くと、よくわかる。
そして、録音。ビクターの山中湖スタジオで収録とある。 クレジットをみても、とくに自慢げなことは何ひとつ書かれていないが、 この録音は掛値なしに素晴らしい。 最新の機器や技術が使われているのだろうか?はたまた、録音エンジニアの才能か? DVD-Audio や SACD を思わせるアタックや残響感、定位の正確さは、 CDの可能性を再認識させる。 この録音が、彼女の「癒し系」で終わらない豊かな才能を聞き手の眼前に再現させる。
「オフ」なのに、この驚くべき本格さ。本当に不思議なアルバムだ。
一曲ごとに,込められた想い。 ともすれば重くなりがちな,
でもなんだこの心地よい声は,音は。 彼女は彼女のもつ,彼女にできる最大限のやりかたで。 想いをかたちにした。
きいた人の,希望を,明日を,そっと足下を,照らしてくれるあかり。 そんなやわらかな,それでいて力強いアルバムです。
いっぱいの色々が詰まってます。なんか、春の大きな風みたいでした。ていうか、このCDは飽きませんですよ!このCDは歌詞見ながら、のんびり、それだけを楽しむのが一番いいと思います。本当に感動しちゃいます。
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