戦国BASARA3　長曾我部元親長宗我部元親モバイル

長宗我部元親 1 (SPコミックス)

戦国武将にあまり馴染みのなかった私にも、とっつきやすく、面白かったです。

単行本２冊、全８話で長宗我部元親の生涯を描いているのですが、特筆すべきは構成の見事さ。

この第１巻は“土佐編”とも言うべき内容で、勉強ばかりしている「姫若子」と馬鹿にされていた元親が、実は勇猛さも兼ね備えた文武両道の武将であるところを発揮。本拠地である土佐の、周辺のライバル武将達を次々と倒していく・・・というストーリーになっています。
しかし、元親が勢力を拡大すればするほど、さらに強力な、織田信長や豊臣秀吉といった中央の武将達とも関わっていかざるを得なくなる・・・という流れで、“全国編”とも言うべき第２巻に続きます。

この第１巻で戦うライバル達も面白い武将が多く、元親の甥っ子ながら戦国の世の常で敵対することになってしまう本山親茂や、かつて長宗我部家を救ってくれた恩義があるために戦いづらい一条家（ただし現当主の一条兼定はボンクラ）など、一筋縄ではいきません。
ただ戦に強いだけではダメで、この辺りの戦い方に、元親のカリスマ性というか、武将としての才覚が試されることになります。

元親の仲間達も良い味を出しており、人柄の良い谷忠兵衛や槍の名人で頼もしい福留隼人、凛々しく優しい妻の由宇、力自慢の弟・親貞など、個性的なキャラクターが揃っていて、楽しめました。