この映画は人間愛に満ち溢れています。それはとりもなおさず監督であるフランク・キャプラが愛情深い、愛すべき人だからでしょう。この映画をみると自分の心の中にも愛情という名の水が注ぎ込まれていくような、そんな爽快な気持ちになります。 ちなみに、この映画はS.スピルバーグ監督が新作映画を撮り始める前に必ず観る4本の映画のうちの一つだそうです。(その他は、黒澤監督の7人の侍、J.フォード監督の捜索者、D.リーン監督のアラビアのロレンス)
1946年の作品(日本でいうと戦後間もない時期になる)。その時期にこのような作品ができてしまうところに、ハリウッドのすごさを感じてしまいます。 公開時は全くヒットせず、二束三文で売り渡されて、アメリカでは、毎年のようにクリスマスの時期にテレビで放映されることとなり、そのため返って非常に有名な作品になったということです。 そして、現在活躍する多くの監督がテレビで目にし、自身の作品に多大な影響を与えたということです。その一人クローネンバーグ監督は、ある本によると、この映画を幸せな気持ちで観ている人がいたら、それは間違っている。「自分が存在しなかった世界」で、恐怖を感じなければこの映画の本質を理解しているとは言えない、というような発言をしているそうです。 「自分が存在しなかった世界」の場面はよくできていました。ヒッチコック劇場や、ウルトラQを観ているような、SF的な恐ろしい感覚があります。あと驚いた場面は、主人公が自殺しようとする場面で出てくる天使と、その天使がとった行動です。こんなに古い作品でこんな発想ができるとは、今観ても、びっくりしました。 観終わったあとは、感動と幸福に包まれます。個人的には、妻役のドナ・リードがとても素敵で良かったです。いろいろな要素があり楽しめる作品だと思いますので、ぜひ多くの人に観て頂きたいです。
映画を観て涙を流すことはあっても、嗚咽したのはこの作品が初めてでした。余りにも出来すぎな夢物語と結論付ける冷笑主義者、反発者は放っておきましょう。古き良き時代のMr.アメリカ:名優ジミー・スチュアートの涙と笑顔の記憶と共に、私にとっては嘗ても今もダントツの我が生涯ベスト1。実際、そんな映画ファンは少なくないのではありませんか。監督のフランク・キャプラは貧しいイタリア移民でした。それ故に、どれほど「楽天的な作風すぎる」と揶揄されながらも、真の意味での理想主義者として首尾一貫アメリカン・ドリームを追い続けたのでしょう。曲学阿世を厭わない輩に背を向け、そんな姿勢を貫いたキャプラだからこそ、このような傑作が生み出されたのだと思います。それにしても、ここでのジミー・スチュアートは最高です。ジミー演ずる主人公、住宅金融業を営むジョージ・ベイリーは決して聖人君子ではありません。絶望的な落胆の最中ではあるにせよ、愛しい我が子が来るべきクリスマス・イブに備えて練習している拙いピアノを、「耳障りだ!」と切って捨てちゃうようなお父さんです。それでも義理人情も人望も誰より厚いからこそ、愛息達は「早くいつものパパになりますように」と健気に祈り、奇跡一閃ラストの大団円がやって来る!果たして観客のカタルシスもここに極まれり。愛妻役のドナ・リードとの仲睦まじさを心底讃えながら、私達はふと気がついて苦笑するでしょう。「素晴らしき哉、人生!」と。そして、「素晴らしき哉、映画よ!」と。
自分の思う通りの人生を歩んでいる人が、
この世界中にどれほどいるだろうか。
自分の描いた設計図通りの仕事、家、
妻、あるいは夫、そして子供のいる家庭。
主人公は、
自分の夢を描くたびに、
タイミングの悪さや時のいたずらなど、
人生の様々な障害のために、諦めざるをえなかった。
それでも、卑屈になることなく、
明るく前向きに、自分の信念に忠実に生きてきた。
その結果、
物質的な収入や家には恵まれずとも、
愛する妻や子供たち、
そして多くの友人に恵まれた。
しかし、ある日の出来事が彼をどん底に陥れる。
ついに絶望の嵐が彼に襲い掛かる。
そこに現れたのが、
翼を得るために修行中の天使(といっても爺さんだけど)。
爺さん天使は、主人公に、
彼が元々存在しないという設定の世界を見せる。
「ひとりの人生は、多くの人に影響を与えている」
高い天空から、
自分の歩んできた人生を見てみよう。
人間はちっぽけな生き物だけれど、
取るに足らない人生を歩んでいる人は、
ただのひとりもいないはずだ。
ひねくれた心も、
物質に取り付かれた心も、
すべて捨てて、
まっさらな目で見たい映画です。
ドラマ「夏子の酒」のDVDが発売され、その主題歌が聴きたくて購入しました。最初は「風と雲と私」ばかり聴いていたのですが、他にもドラマの主題歌を聴いてなつかしいなあと思いました。BEST集なので聴きなれた曲ばかりでお得なアルバムだと思います。今ではシングルCDだけでは廃盤になっているのも多くあると思うので、お買い得品だと思います。音源もクリアーで昔のアルバムの音と変わりありませんでした。おすすめのアルバムです。
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