アクション・コメディーと称される本作ですが
私は「ギャグマンガの実写版」のような印象を受けました。
とにかく本筋と異なる部分に対する力の入れよう(いきなり歌い出すところなど)は
半端ではありません。
ストーリーなど忘れて、悪のりの部分を満喫することこそが
本作の味わい方ではないでしょうか?
興行的には当たらなかったようですが、B・ウイリスが出演した映画の中では最高に洒落ているコメディー映画です。 泥棒するときのタイミング合わせのために時計を使わず、過去のヒットソングを歌う泥棒がとても素敵。二手に分かれて侵入しても、待ち合わせ場所にきたらちゃんとハモってデュエットになっている処なんて、ミュージカルです。主演のB・ウィリスとアイエロの掛け合いも楽しい(ガラス切りのメモリをずらすギャグは最高)し歌の呼吸もぴったり、仇役のJ・コバーンも実に楽しそうに憎々しげな役を演じている。 どことなく間が抜けていそうなエキセントリックな悪のボスも、ボンド映画のやたら気宇壮大な夢を描きたがる大ボスよりも、自分の単純な欲望に忠実(お前、それ以上金持ちになってどーすんねんといっても聞く耳持たなさそう)で好感が持てる。
こんなくだらない映画(褒めてます)に本気で怒れるひとがいることに驚くが、
この映画のノリがわからないひとこそがフツーなのであって、
ツボにハマる方がおかしいのかもしれない、と思ってしまうほど、
この映画はファニーでヘンテコでキュートでクールなのである。
全編くだらないので内容には触れず、映像特典について。
・未公開シーンはファン必見のくだらなさで爆笑必至。
・サンドラ・バーンハードが役作りを語る「ミネルバへの道」も同様におもしろい。
サンドラのミネルバ愛が彼女をミネルバ化していて、大変よろしい。
・ブルース・ウィリスとロバート・クラフト(原案・製作総指揮・音楽)が語る誕生秘話は、意外にも感動的。
二人がかけだしの頃を振り返りつつ、本作への思い入れをロバートのピアノとともに語る。
・さらに、ドクター・ジョンによる「ハドソン・ホークのテーマ」のクリップまで入っている。
はじめて見るひとには無用かもしれない特典ではあるが、
本作が好きなひとは通常版ではなく是非ともこちらを購入されたし。
ちなみにブルース・ウィリスの吹き替えは樋浦勉。
ブルースの吹き替えは村野武範が一番だと思っているひと(わたしも)には残念なことである。
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