ぜひ読もうと思ってずっと忘れていた千葉真一の自伝「千葉真一 改め 和千永倫道」2年遅れてようやく購入&読了。 千葉真一初にして唯一の自伝本。 内容は多岐に渡り「風林火山」での俳優千葉真一引退の話をはじめ志保美悦子、真田広之、堤真一ら弟子たちとの別れ話、タランティーノや深作欣二との交流等盛りだくさん。 若手のとき高倉健に付いてて今でも一番あこがれてる話もよかった。
ただ・・・その濃すぎるキャラと人生のわりにほんのページ数が少なすぎて物足りない!もっとくわしく読みたい!というネタも数ページでさらっと書かれてるだけなんで。
続編を書いてほしいと強く希望します。
1982年公開でリアル・タイムで劇場で見ています。原作、脚本はつかこうへい、監督は深作欣二です。 東映京都撮影所では新撰組の撮影の真っ最中。当然そのクライマックスは、いわゆる池田屋の階段落ちのシーンですが、もちろん落下する者はただではすみません。軽くて大怪我、下手をすると半身不随、命を落とす危険性もあります。しかし、大部屋俳優にとってはスターになれる大チャンスです。土方歳三には倉田銀四郎、通称銀ちゃん(風間杜夫)、そして、坂本竜馬には橘(原田大二郎)が少しでも相手より目立とうと烈しい鍔迫り合いを演じます。銀ちゃんには恋人小夏(松坂慶子)がいて妊娠していますが、銀ちゃんはスターとして飛躍する為、身ごもった小夏を大部屋の取り巻きのヤス(平田満)に押し付け無理やり結婚させます。一方ヤスは、金を稼ぐ為に次々と仕事を取り、その果てには、銀ちゃんのため、危険すぎて中止になりかかっていた池田屋の階段落ちの役に志願します。また、小夏の存在にやっと気付いた銀ちゃんは、小夏とよりを戻そうとしますが・・・ 昔は銀ちゃんのような俳優が当たり前で、クレジットの位置、出番の時間、目立ち度で凄く揉めたようです。さすがに銀ちゃんのような派手な車、衣装は無かったと思いますが、その当時の大スターは日本に数台しかないような車に乗っていました。子供を大きくしたようなアンビバレンツな性格を好演した風間杜夫、大部屋の俳優の心意気を上手く演じた平田満、2人の愛に揺れる女を好演した松坂慶子、その他、清川虹子、友情出演の千葉、志保美、真田、等皆好演です。最初はあまり期待していませんでしたが、映画が進むにつれ、どんどん良くなり、最後はもう涙ボロボロでした。そして、最後に・・・ しかし、よく考えてみると少し違和感が残りました。タイトルになっている蒲田行進曲は、松竹の蒲田撮影所の所歌、撮影スタジオは東映京都(太秦)、主演女優(深作さんの指名?)、主演男優を除いて後は東映系の俳優、要する所ちぐはぐなんです。よく東映、松竹の間で揉めなかったなあと思います。そんなこんな苦難を乗り越えて、まあ奇跡の様な傑作です。
日本の空手アクション(というのは数が非常に少ないでが)としては最高峰ではないでしょうか。千葉真一のコンディションがもの凄く良くて、体のキレが尋常ではありません。いかにも身軽で、蹴りやパンチも素晴らしく、逆立ちしたまま腕立て伏せも見せてくれます。雪山の闘い、サウナでのパンツ一丁の立ち回り、ラストのボスのアジトで延々と繰り広げられる1対多の怒濤のファイトまで、アクションのつるべ打ちで実に面白い快作です。 その代わり、ストーリーは極めていいかげん。前回同様、正武館が出てきますが、この正武館パートは出演者たちが本物の空手家なのか、演技がドヘタ。素人レベルです。 様々な空手の型や、武器、武術が次々と丁寧にテロップ付きで出てきます。千葉ちゃんはこれらの武術家に付け狙われます。銃で殺せばいいものを、一人ずつ、武術家たちがいちいち得意の武術で襲ってきます。 前作のラストで喉を引きちぎられた石橋雅史も人工声帯付けて出てきます。ロボットみたいなしゃべり方で、凄まじい迫力。死神フェースの石橋雅史と「クワーッ」と息吹でもの凄い表情を作る千葉ちゃんの「顔面ど迫力対決」は見ものです。
吉村氏の作品を読むようになって5年。今では立派な吉村ファン(自称?)である私が、最初に読んだ一冊である。 夫の実家、結婚前の彼の部屋の片隅にこの本はあった。「これ、借りるね」と何げなく手に取り、頁を繰った瞬間から私は凄惨な沖縄戦の真っ只中に放り出されたのだ。耳元をかすめる銃弾、頭髪が逆立つような爆風、空を焦がす火炎。いつか旅行で訪れたあの沖縄の、からりとした明るい空気が私の中でみるみる変質してゆく。いつしか主人公の比嘉真一の意識に呑み込まれて行く。 吉村氏は、冷徹なまでに端正な筆致で主人公が戦火に追われ、しかし一兵士として死に場所を求めるようにさまよう姿を描き出す。この臨場感は、時として音や匂いまでも感じるほどだ。吉村氏の作品には一貫して“死”と現実が縦糸として織り込まれているが、本作品はその中でも最も生々しい感覚を、読み手に与えるものではないだろうか。 日本で半世紀前、実際にこのようなことが起こったのだ。 青い海の沖縄にしか興味がないあなた、『プライベートライアン』を瞬きもせずに見通したあなたに、一読を勧めたい。
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