それぞれ境遇の異なる3人の若い女性たちが句会で出会い友情を育む。読後のあと味の良い小説です。句会の始まりから終わりまでの描写がとても楽しい。3人のヒロインは医師の卵壽子、若妻ちえ、芸者松太郎でそれぞれの場所で自分らしく生き抜こうとします。年代は昭和初期から終戦直後まで。舞台は東京市から満州へ。次々に登場する脇役は川島芳子、甘粕大尉、満州皇帝溥儀など一癖ある人物ばかり・・・・。壽子を支える東京女子医専同窓会ネットワークの手厚さに感動!それに、松太郎の機転で永井荷風が句会に飛び入りとは!著者の俳句に対する愛情の濃さをしっかりと受け止めました。ご近所の俳句の先生(70代女性)にお勧めしたら「面白いわあ、こんな小説があるなんて!」とお喜びでした。
うまく言えない切なさや哀しさのある素敵な作品でした。 元の永井荷風の作品自体が素晴らしいだけに、映画化も難しかったとは思いますが 津川さんが凄まじく演じきっています! 遊女ものはちゃんとした廓ものが多いですが、岡場所系の空気と 大正昭和の切なくどこかロマンティックな空気を感じたい方にはお薦めです。
日活ロマンポルノの初期の名作のひとつではないでしょうか。
永井荷風の作と伝えられる発禁ポルノ小説『四畳半襖の下張』を下敷きにした作品。海外では《The World of Geisha》というタイトルで紹介されている神代辰巳監督の代表作でもあります。
大正時代の米騒動の頃の東京は新橋界隈の花柳界が舞台。男と女の淫らで喜劇的な色模様の底にただよう、なんとも辛辣な人間観察が印象的です。
宮下順子、絵沢萠子、芹明香など、存在感のある女優たちの演技ににじむ女の性の本音としたたかさ。江角英明、山谷初男、粟津號が身をもって演じた男の性の滑稽とむなしさ。どちらにも心にしみるものがある。
あの唐突な幕切れにも不思議な余韻がありますね。
正直にいって、ポルノグラフィとしてのエロさの度合いはあまり高くない。それに娯楽作品にしてはいささか身につまされてしんどいストーリーだとも感じたけれど、日本映画史上の不朽の名作のひとつだと私は思います。内容は完全におとな向き。
女性が見てもそんなに違和感がないのでは?
川本三郎がおのれを「仮託」する永井荷風のことは「墨東奇談」の作者で晩年は浅草を愛しストリップ見物をしていた変わったおじいさんとしか知らない。この「日乗」とは日記のことである。何でも鋭く博識なサド裁判で前科1犯の東大仏文で荷風の後輩?渋沢龍彦は「思考の紋章学」収録の「セクスアリス」で日記の日付けの上の小さな「黒丸」にまた鋭く眼をつけた。この「黒丸」こそは荷風が***をいたしたマークなのである。うーむ鋭い!戦後は「白丸」になる。荷風は別名でいわゆる「ポルノ」を書いたというから別に不思議ではない。読んだことない。渋沢はまた「鋭く」荷風の性生活を「自己運動する機械の健康である」と指摘している。つまり谷崎のような脚フェチやマゾヒズム。川端康成の少女趣味、処女好きではない、ということ。荷風にとって性は「観念」でないとも。だから「健康」さらにサド裁判で光栄ある前科1犯の渋沢はサド侯爵の「日記」を論じるがそれはまたね。余談だが小生は真中さんや則子さんに「いじられる」と気持ちがよく、ひょっとしたらMでないか?と悩んだことあったがMでも「それでいいのだ」と思うことにした。私は「天才バカボン」におのれを「仮託」している。川本=東大法学部とバカだ大学の学歴の違いである。前科1犯でも渋沢や川本の東大出は違うよ。私は前科2犯で「勝ってる」が。ははは。
永井荷風の代表作です。挿絵は無いがKindle で楽しく読むことができる。
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