リバーブをたっぷりかけた単音のオルガンのフレーズがなんとも印象的です。動く気もしないほど暑くてけだるい夏の午後に、BGMとしてこのCDをかけると、どこか遠くの国に連れて行ってくれるようなそんな気分さえ感じさせてくれます。涼しげなオルガンを聴ける素晴らしいアルバムだと思います。
あるBlogを書かれている方が、紹介文を書いていると言う事で知ったボサノバのコンピレーション。僕はいつも寝る時にかけながら聞いています。最後まで聞き終わるまでには寝てしまう程心地よいCDですね。大半が知っている曲で、曲順等もよく考えられていると思います。その為、ボサノバ初心者にも自信を持って勧められるCDです。欲を言えばきりがないですが、3枚組、4枚組も今後企画して下さいね。
非常に高名なアルバムで、たくさんのレヴューが有りますから、再発を機会に少し違った観点から、レヴューしたいと思います。 ブラジル、ラテンアメリカ、そして仏では既に大人気でしたが、それに目を付けたヴァ―ヴ・レコドが、1966年、ニューヨークに彼を招聘し、レコーディングさせました。それがこのアルバムです。 米国では、この少し前から、ジミー・スミスが同じくオルガンを演奏し、ジャズ界でブレークしていましたが、一見ミスマッチに思えるボサノヴァとオルガン、これをW・ワンダレーが見事に融合させました。彼のオルガンは、テクニックに裏付けされていて、クールで強弱の振幅が大きく、跳躍感とスイング感が素晴らしい。 サマー・サンバ(ソー・ナイス)は、御存知のように世界中で大ヒットしました。日本でも何年もの期間、夏になるとこの曲が良くかかっていて、本当に夏によくマッチしていました。また、ボビー・ローゼンガーデンのパーカッションの好サポートも見逃せません。 後にアストラット・ジルベルトと共演し、サマー・サンバとコール・ミーが両アルバムの共通曲ですが、A・ジルベルトのヴォーカルが入るだけでこんなにも感じが変わるのかなと思います。また、少し脱線しますが、ジョアンナ・ジルベルトがA・ジルベルトを口説いた時、C・ベイカーと3人でゼア・ウイル・ネヴァー・ビー・アナザー・ユーを永遠に歌い続ける想像上のヴォーカル・グループを結成しようと言ったらしいです。やはり、A・ジルベルトのヴォーカル・スタイルは、チェットの影響を受けているのですかね?なにはともあれ素晴らしいアルバムです。必聴です!!!
そういう意味ではこれに巡り合えた俺はやっぱり幸せな男なんだろう。
ラテンとヨーロッパの文化の融合による奇跡がここにある!....
などと熱く語りたいのだがそれは野暮というものだ。
こういう音楽は好きな人にだけ聞かれるのがよい。
たぶん音楽史上最も「おしゃれ」な音に違いない。
ジャズってなに?ボサノバって何?ってきかれたらまずワルターワンダレーを薦めるのがよい。
場所は地中海。時は夏。海に面した小高い丘に立つ、白塗りの壁の家のウッドバルコニー。爽やかな風がそよぎ、今日も真っ青な空と海、白い波が夏の太陽に照らされキラキラ輝いてる。静かな波の音と、時折風に乗って聞こえる、海岸沿いの人々の声。そんな穏やかな休日、あなたはこのアルバムを聴いています。冷えた白ワインを飲みながらゆっくりとランチを作るあなた。フレッシュトマトの冷製パスタにバケットとチーズとサラダ。音楽を口ずさみながら、のんびり料理をし、ワインをひとくち。バルコニーのテーブルに真っ白なクロスを広げ、お皿をセットし、真ん中には花を。あなたは、あなたの愛する人と海を見ながら食事をします。美味しい食事と良く冷えたワイン、そして愛する人と同じ時を共有している事に幸せの笑みが溢れます。そんな、夏の休日の、幸せな2人を優しく包むのがこのアルバムです。
|