「喪失」をテーマにした短編集。 「いってしまうもの」は恋人や友達、両親、プライドや信頼、感情だったり、価値観だったりする。 12の短編には12人の人間がいてそれぞれ違うものを失い、違うものを拾う。 それらの物語を読むうちにどれかは自分に共感するものがあるだろう。それはきっと自分の失いたくないもなのだろう。 『ドーナッツ・リング』『まくらともだち』『片恋症候群』『泣かずに眠れ』 おすすめなのではなく共感できたもの。 実際にあったら怖い話もあるけど。 浜野雪江さんのあとがきがよかったので紹介。 「それぞれの結末はストーリー上の終末を想像させると同時に、読者一人一人に 「あなたにとってはどうすることが本当の幸せですか?」 と、その人の人間性なり人生観を問うている。 つまりその瞬間、読み手はいやでも心の奥底で眠っている自分自身の本質と向き合わねばならず、 その結果、意外にすんなり答えが出てくる場合もあれば、 樹海の入り口でおいでおいでをしている手にまんまとからめとられる場合もある。 答えは読み手の数だけ用意されている。」
何度も何度も読み返しています。私の愛読書です。恋愛小説でこんなに何度も読み返しても楽しめ、そして読むごとにまた違う感想を持つ本はなかなかないと思います。
恋愛って深い、、と思い知らされる作品。でも誰にでもこういう感覚っておおかれすくなかれあるものではないのかな?と考えさせられます。
見れば、見るほど、惹きこまれてしまう、現代のファンタジーです。 その中で流れるメロディの数々・・。 原作と違うハッピーエンドが嬉しい。 思い出すシーンの数々・・。 印象的な音楽が愛しい。
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