「電脳コイル」というタイトルを見たときの印象は「電脳とか言って、小難しい設定が売りのアニメじゃないの?」といった物でしたが、
第1話を見て「自分が子供の時に、こんな世界で遊べたらなぁ」と思い、作品に引き込まれました。
めがねを掛けた子供だけが見られる電脳世界、というとなにやら高尚に感じますが、
なんのことはない、子供の頃にやったごっこ遊びが現実になっているわけです。
めがねを掛けた彼らは、不思議な生物と遊び、違法ソフトを取り締まるサッチーという敵から逃げ、手をかざしてはビームを発射し、おのれのプライドとめがねの修理代というリスクを掛け真剣勝負をします。
そこには電脳というハイテクを得てもなお変わらない、子供の遊びという物に隠れた純粋な何かが確かにあると感じられます。
まだ完結してない作品ですが、毎回与えられるこのわくわくした気持ちを星5つで表現したいと思います。
アニメの9話までに相当する話。宮村優子の脚色が加えられている箇所も多
い。主人公ヤサコ、ハラケン心情が多く描写されていている。
全体的に読みやすい。今後が楽しみ。
電脳コイル本編を見ていて、いいBGMと感じた方は購入して損はありません。
サイバーパンクっぽい世界観とアナログなメタファが混在するこの作品を
締めているのは、弦楽器が耳に優しく時に激しい、このBGMだと思います。
たっぷりの2枚組みでお得感もあり、主題歌2曲はシングル盤ではTVイメージと
少し差があるので、TV作品のイメージを求める方はこちらを。
まだ収録されていない曲もあるので第2弾出ないかな...
電脳世界が精神世界とコネクトして
「いつか人の心どうしの”道”になって、繋がるのだろうか?」
「人と人とは、細くても繋がっていけるのか?」
本作品の主題歌を歌っている池田綾子さんが言われてましたが
この「人の心をつなぐ道」 と言うのが本作品のテーマであり
本作品に限らず人にとって永遠のテーマではないかと思います。
電脳メガネと呼ばれるツールによりネットの仮想空間につながる子供達が主人公で
インターネットやIT、コンピュータに関連する専門用語も使われ
また上記の通り難しいテーマを扱っている事から
低学年の子供にはちょっと難解で、高学年向けの作品ではないかと思います。
ただ完全に理解出来なくてもこの様な作品を子供が見る事で
精神的な成長を促す事が出来ると思いますので
沢山の子供に見て色々考えて欲しい作品です。
主題歌の「プリズム」や「空の欠片(そらのかけら)」も本作品のテーマを元に
作られており、作品の方向性を色濃く示すものとなっています。
「誰もが探している 誰かを捜している」
「手を伸ばせばいつでも あるはずのぬくもりは 幼い日のまぼろし」
「人はどこへゆくのだろう」
大人になっていく過程で、いや大人になってからも
誰もが抱きつづける感情を池田綾子さんの透き通る声で詠い
自然と熱いものが頬を伝う作品です。
5つの章から構成されています。第1章は「キャラクターファイル」として、全てのキャラクター(例、用務員のおじさんも含む、26頁)と電脳アイテムの説明があります。第2章の「ストーリーガイド」ではオープニングとエンディングの作画、年表、各話紹介(本書編集者および磯光雄監督のコメント付き)があります。第3章は「設定資料ファイル」となっていて、キャラクターの造形の基本設定やキーワード事典があるなど最もマニアックな章となっています。第4章は「メイキング・オブ・『電脳コイル』」です。磯監督、井上俊之作画チーフ、作画監督、声優などの製作関係者の方々のインタビューが掲載されています。その中で磯監督は「リアル」と「リアリティ」を異なるものと見なしており、自身は「リアリティ」を追求し、「受け取る人がそのビジュアルをどう受け取るか」(94頁)にこだわりがあると述べています。また井上作画チーフは『電脳コイル』にはスタジオジブリやAプロダクションに共通する「独特の曲線」(101頁)、つまり丸みのある線が特徴だと語っています。最後の第5章は「アート・オブ・『電脳コイル』」となっていて、舞台となった大黒市のマップや暗さが印象的な美術ボードが収録されています。
本書は文章を読んでも絵を見ても『電脳コイル』の魅力を味わえます。そして同時に『電脳コイル』が製作者の方々の熱意と愛情によって生み出された傑作の一つであることを実感させてくれる一冊でもあります。
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